白川郷・五箇山の合掌造り集落

Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama

白川郷・五箇山の合掌造り集落

白川郷・五箇山の合掌造り集落の概要

白川郷・五箇山の合掌造り集落

世界遺産に登録されている、3つの合掌造り集落は中部地方の2県にあります。そのうちの1つは岐阜県の北西部に位置する、最大の合掌造り集落、白川郷の「荻町集落」です。また、その他2つの集落は富山県の南西部に位置する五箇山の「相倉集落・菅沼集落」であり、これらの3つの集落が世界文化遺産に登録されています。

合掌造りと集落の歴史

白川郷・五箇山の合掌造り集落

合掌造りは、江戸時代からこれらの白川郷、五箇山の地域に建てられ、現在では古いものでは300年もの歴史を誇るものまであります。合掌造りの由来は屋根にあり、まるで掌を合わせたときの形に似ていることからそのように名付けられたことが由来であると言われています。合掌造りの構造はこの地域の気候に合わせられていて、南北に面していることから日照量の調整がされます。これにより、夏は涼しく冬は暖かく、さらに屋根の角度が急であることで、厳しい冬の雪に対応ができる、自然に適応した構造となっています

江戸時代の開国により日本では養蚕産業が盛んになり、当時のこの地域の人々も屋根裏を作業場とし養蚕産業に従事していました。古くから伝わる五箇山和紙は、それで年貢を納めるほど、当時の人々にとって重要でした。現在では多方面で活用され、国の伝統工芸品に指定されています。

合掌造り集落では、互いに助け合い共同労働を行う、「結」の精神が古くから伝わっています。現代でもその精神は受け継がれ、茅葺屋根の吹き替えはみんなの共同作業で行われています。

世界遺産に登録された理由

白川郷・五箇山の合掌造り集落が世界遺産に登録された理由は大きく2つあります。1つ目は、合掌造りという建築様式です。合掌造り集落がある白川郷や五箇山は豪雪地帯。急傾斜の茅葺き屋根をもち、釘を一切使わずに建てられた合掌造りの家屋は、雪の重みや強風に耐えられるように設計されたものです。

2つ目の理由は、合掌造り集落に独自の文化が見られること。農地に適した平地が少ないこの地域では、限られた土地を有効に使うため10~30人ほどの大家族で暮らし、その労働力をいかして養蚕や塩硝(火薬の原料)の生産などが行われてきました。合掌造りの家屋の中を見てみると、大家族が暮らせる広いスペースや養蚕のための部屋などがあるのがわかるでしょう。 このように、白川郷・五箇山の合掌造り集落は、その土地の環境に合わせて生まれた独自の建築様式や文化が評価され、世界文化遺産に登録されました。

2005年、白川郷(白山村)とイタリア南部の世界遺産「アルベロベッロ(アルベロベッロ市)は姉妹都市提携をしています。

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白川郷・五箇山の合掌造り集落での必見ポイント

最も大きい白川郷の荻町集落

合掌造り集落の3つの集落のうち、最大規模である白川郷の荻町集落は100棟もの合掌造りが残されており、今も人々が生活しています。世界遺産に登録されているのは、そのうち59棟。1995年の世界遺産登録以降、国内外からの観光客が訪れるようになり、交通の便も良くなりました。

合掌造りの外観を楽しめるだけではなく、有料で内部見学のできる合掌造りがいくつかあるのも見どころです。国指定重要文化財に登録されている旧遠山家民俗館では「ご飯プロジェクト」に申し込みをすると、昔ながらに旧遠山家のいろりを囲みながら、地元食材を使った料理を味わえます。その他にも荻町地区には、「長瀬家」、「神田家」、そして国指定重要文化財に登録されている「和田家」でも内部見学ができます。

毎年9月終わりからから10月にかけては「どぶろく祭」が行われるため、白川郷は盛り上がります。五穀豊穰・家内安全・里の平和を山の神様に祈願するお祭りで、祭礼にはどぶろくが使われ、人々にも振る舞われます。地元住民だけではなく、多くの観光客も参加、楽しめます。

五箇山の相倉・菅沼

世界遺産に登録されている五箇山の2つの集落(相倉と菅沼)はそれぞれの距離は離れているものの、どちらも川沿いに位置していて、田畑、石垣、雪持林とまるでタイムスリップをしたかのような景観を楽しめます。五箇山では、国指定重要文化財登録されている「岩瀬家」と「村上家」へ有料で中に入ることができます。

五箇山各地で伝統と歴史の体験ができ、岩瀬家付近では豆腐作り、村上家付近では「こきりこ踊り」に用いられる古代楽器の「ささら編み」の体験やこきりこ踊りの鑑賞ができます。さらに、相倉集落付近では、国の伝統工芸品に指定され、現在でも使われている五箇山和紙の紙すき体験もできます。現代ではなかなか目にすることのない、昔ながらの製法での和紙作り体験は貴重です。

冬のライトアップ

白川郷・五箇山の合掌造り集落

合掌造り集落にはさまざまな魅力がありますが、冬のライトアップは集落が一番盛り上がる必見のイベントの一つです。雪が一面に積もり、その中であちこちに見える合掌造りの屋根にもこんもりと雪が積もり、ライトアップによりその雪が建物の木の色とマッチするのは、現実を忘れてしまうほどの幻想的な風景です。ライトアップは冬のあらかじめ決められた日程で催され、見学には事前予約が必要です。


国名 / エリア アジア / 日本
登録年 1995年
登録基準 文化遺産 (iv) (v)
備考 ■関連サイト
Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama(UNESCO)
白川郷:岐阜県大野郡白川村
五箇山:富山県南砺市

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