プラハ歴史地区

Historic Centre of Prague

プラハ歴史地区の概要

プラハ歴史地区
プラハ歴史地区

1000年以上もの歴史を持つプラハは、チェコ共和国の首都で「黄金の街」と呼ばれるほど美しい街。数多くの歴史的建造物が現存し、時代の移り変わりによって変化する様々な建築様式を堪能する事ができます。プラハはヴルタヴァ川の両岸に位置しており、東岸に位置する旧市街と新市街、西岸にあるフラッチャニ地区とマラー・ストラナ地区が「プラハ歴史地区」として1992年に世界文化遺産へ登録されました。

プラハ歴史地区で最も有名な建築物は、世界最大で最古の「プラハ城」と、その城内にある「聖ヴィート大聖堂」です。また、街の中心を流れるヴルタヴァ川にかけられた「カレル橋」は、ヨーロッパに現存する最古の石橋として有名。

旧市街のシンボル的な建築物である「ティーン聖母教会」は、ゴシック建築で建てられたものの、改築され内部がバロック様式となっている珍しい建築物であり、プラハを訪れた際には必ず立ち寄りたい場所の一つです。

プラハの歴史

プラハ歴史地区
Photo by JESHOOTS.COM on Unsplash

プラハの歴史は、6世紀後半に街の中心を流れるヴルタヴァ川の河畔へ、スラブ民族が集落を形成したことから始まります。9世紀に入り、プシェミスル家が砦を築きそこから街が発展し、1355年にカール4世が神聖ローマ帝国皇帝となり、ローマ帝国の首都がプラハに遷されました。

カール4世は、プシェミスル家が築いた砦に増改築を加え、現在のプラハ城を築き上げます。さらに神聖ローマ帝国で最初の大学であるプラハ大学の設立や、聖ヴィート大聖堂の建築、カレル橋の建設なども行いプラハを大都市へと成長させました。

14世紀はプラハが最も栄えた時代であり、「黄金のプラハ」と呼ばれるようになります。街の発展に貢献したカール4世の功績をたたえ、現在でも「カレル橋」など彼の名前がつけられた建築物がいくつも残っています。

15世紀になると、キリスト教改革派であるヤン・フスの信者「フス派」と、神聖ローマ帝国との間にフス戦争が勃発。1618年には三十年戦争が勃発し、17世紀以降にプラハは衰退しました。しかし18世紀に入り、ハプスブルグ家の支配下となり経済政策が行われ、再び活気を取り戻していきます。1918年にはチェコスロバキア共和国が創立され、プラハが首都として制定されました。1993年にチェコ共和国とスロバキア共和国に分離され、プラハはチェコ共和国の首都となり現在に至ります。

必見ポイント

プラハ城(Pražský hrad)

プラハ城
プラハ城

プラハ城は1100年以上もの歴史がある、世界で最も古く大きい城です。フラチャヌィの丘の上に建ち、敷地は細長い形をしています。9世紀に築城されて以降、プシェミスル家の居城として整備されていきました。14世紀に現在の形となり、歴代の国王やローマ皇帝、そしてチェコ共和国の大統領府としても使用されています。

聖ヴィート大聖堂(Katedrála svatého Víta)

プラハ城の敷地には、5つ宮殿と3つの教会があり、中でも最大の見どころは聖ヴィート大聖堂です。

聖ヴィート大聖堂
聖ヴィート大聖堂 Photo by Warren LeMay, on Flickr

ゴシック様式で建てられ、600年もの年月を経て完成しました。大聖堂の中には、カール4世やヤン・ネポムツキーなどチェコの聖人や君主の墓があります。内部を彩るステンドグラスは、チェコ出身の画家「アルフォンス・ミュシャ」による作品で、チェコ芸術の最高傑作と言われるほど壮大で美しいです。

聖イジー聖堂 (St. George’s Basilica)

聖イジー聖堂 (St. George's Basilica)
聖イジー聖堂 (St. George’s Basilica) St. George’s Basilica by David Seibold, on Flickr

カレル橋

カレル橋
カレル橋

カレル橋は、1402年に完成したヨーロッパに現存する最古の石造橋。ヴルタヴァ川に架かり、プラハ城と旧市街を結んでいます。カール4世が建築を命じ、ドイツ人建築家「ペトル・パルレー」の設計によって造られました。ゴシック様式の橋で、全長は約516m、幅は約10mで16連のアーチがあります。

カレル橋
カレル橋

橋の欄干には片側15体ずつ、計30体の砂岩でできた彫刻が並んでおり、その中の一体は日本にキリスト教を普及したフランシスコ・ザビエルの像です。また、プラハ大司教の総代理を務めた聖ヤン・ネポムツキーの像もあり、こちらは唯一銅で作られています。30体のうち最初に作られた像で、台座のレリーフに触れると幸せが訪れるというジンクスがあるそうです。

ティーン聖母教会(Church of Our Lady before Týn)

ティーン聖母教会
ティーン聖母教会(Church of Our Lady before Týn)

旧市街広場にあるティーン聖母教会は、12世紀に建設が始まり14世紀に改築されたゴシック様式の教会です。内部の装飾はルネサンス様式やバロック様式で作られており、プラハで最古のパイプオルガンがあります。高さ80mの2つの鐘楼(しょうろう)があり、15世紀初頭にフス派の拠点となりました。 かつて税関(ティーン)があったことから、この名前がつけられたようです。

旧市庁舎と天文時計

天文時計
天文時計

旧市街広場には、前述したティーン聖母教会の他に、旧市庁舎天文時計など観光名所がたくさんあります。旧市庁舎は1364年に建てられました。ここには高さ70mのゴシック様式の塔があり、旧市街を一望する事ができる必見ポイントです。

旧市庁舎と天文時計
旧市庁舎と天文時計

この塔には、旧市庁舎のシンボルである天文時計(オルロイ)があります。15世紀初頭に造られたとされていますが、作者は明確となっておらず、さまざまな説や言い伝えがあるようです。天文時計は完成後に何度も壊され、16世紀後半に再建されたものが現在のものです。毎時9時から23時の0分になると、時計の仕掛けで12使徒の行進を見る事ができます。

ストラホフ修道院

ストラホフ修道院
Strahov Monastery by alh1, on Flickr

1143年に創設された修道院で、世界一美しいと称される豪華な図書館があることで有名です。「哲学の間」と「神学の間」と呼ばれる2つの図書室があり、哲学の間はフレスコの天井画「人類の精神史」が描かれており、神学の間はバロック様式の半円天井に細工が施されています。

800年もの歴史があり、13万冊の蔵書があるなど大変貴重な図書館です。哲学の間には、哲学や天文学などの書が収められ、神学の間には神学に関する書が多く収められており、地球儀が並んでいるなど見どころが満載。

神学の間
神学の間
哲学の間
哲学の間 Strahov Monastery library by Matt Taylor, on Flickr
国名 / エリア チェコ / ヨーロッパ
登録年 1992
登録基準 文化遺産 (ii) (iv) (vi)
備考 ■関連サイト
Historic Centre of Prague(UNESCO)

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です