清水寺

kiyomizudera

京都 清水寺
Jordy MeowによるPixabayからの画像

清水寺の概要

清水寺
Photo by Su San Lee on Unsplash

清水寺は、京都市東山区清水の音羽山に位置する寺院で、1994年に世界文化遺産に登録された「古都京都の文化財」の構成資産の一つです。清水寺の歴史は古く、778年にまで遡ります。30点もの国宝・重要文化財と共に、日本でも有数の観音霊場として古くから多くの参拝者が訪れています。音羽山の中原に位置し、周りも自然に囲まれているため、四季折々の景色を楽しめます。

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清水寺の歴史

清水寺
Kiyomizu-Dera, Kyoto by Ray in Manila, on Flickr

奈良時代後期の778年、修行をしていた賢心(けんしん)は夢の中のお告げから北へ向かうこととなり、音羽山の瀧にたどり着きました。そこで出会った行叡居士(ぎょうえいこじ)が賢心に残した霊木(れいぼく)に千手観音像を彫り、行叡居士の旧庵に安置しました。これが清水寺の始まりとされています。

清水寺を建立したのは武人の坂上田村麻呂です。彼は、780年に音羽山での鹿狩りの際に賢心から説かれた殺生の戒めに感銘を受け、この音羽山の地に自邸を寄進しました。これが清水寺の始まりで、810年には嵯峨天皇の勅命を受けて公認の寺院となり「北観音寺」と呼ばれていました。後に改められた名称である「清水寺」は、清らかな音羽の瀧が由来となっています。

この地域一帯は、清水寺を含め興福寺の支配下にありましたが、1000年に入ると興福寺とその支配からの独立を求める寺院「延暦寺」の間で起こっていた争いに巻き込まれてしまいます。これ以降、清水寺は僧兵の乱入により、1度に限らず時代を超えて1629年まで何度も焼失を経験しています。現在の清水寺のほとんどは、1633年に徳川家光により再建されたものです。

清水寺の見どころ

清水寺は1周見てまわると約1時間かかります。見どころも多くあるため、厳選して紹介します。

本堂・清水の舞台

京都 清水寺
“kiyomizu temple” © taka14 Licensed under CC BY 4.0

かつて坂上田村麻呂の邸宅であったこの本堂は、寺院を建立させる際に田村麻呂より寄進されました。焼失が繰り返し起こったため、現在の本堂は江戸時代に再建されたものとなっています。

この本堂が崖にあることから、日本の伝統的な建築方法「懸造り(かけづくり)」(長い柱と貫でしっかりと固定する)で建てられているため、地震にも強い構造となっています。地上からは約13mの高さにあり、樹齢400年のケヤキで支えられています。ケヤキは長いもので約12mもあり、それぞれのケヤキ同士に釘は全く使われていなく、代わりに何本もの貫が使用されて本堂を支えています。

これほどの高さがあったため、舞台から飛び降りて生きて帰れば願い事が叶うと信じられ、人々は身を投げていました。1872年には飛び降りが禁止されましたが、このことから現在ではことわざ「清水の舞台から飛び降りる」でよく知られています。

地上から高さがあると共に、周りは自然に囲まれているため、いつの時期に訪れても美しい風景です。

三重塔

京都 清水寺
“kiyomizu temple” © ganden Licensed under CC BY 4.0

847年に桓武天皇の皇子だった葛井親王(かどいしんのう)の勅命で建てられました。幾度もの焼失が繰り返し起こり再建されてきたため、現在残されている三重塔は1632年に再建されたものとなっています。清水寺の三重塔の高さは約31mと国内最大級で、奈良の薬師寺の34mの三重塔に匹敵するほどの高さとなっています。

三重塔の内部は非公開となっていますが、密教の本尊である大日如来が安置され、天井や壁は密教仏画、諸仏の周囲を飛行遊泳する天人の「飛天」、そして龍が描かれています。

注目すべきは、3層ある三重塔の層の全ての4隅にある、3つの鬼瓦と1つの龍神です。この龍神には火災除けとしての役割があるといわれています。北西の愛宕山には火伏せの神が祀られていますが、しかし反対側は弱点であるため水の神、龍神によって守られています。

パワースポット・音羽の瀧

清水寺 音羽の滝

清水寺と命名される元となった瀧で、音羽山からの地下水(清めの水)が、1000年以上も流れ続けているとされています。滝は3つあり、正面から順に左から「学問上達」「恋愛成就」「延命長寿」の願い事を叶えてくれます。瀧の奥で不動明王に参拝したあと、瀧を1つだけ選び一口飲みます。2つ以上の瀧を選んで口にすると、ご利益が半減もしくは3分の1になるものとされているので注意しましょう。

音羽の瀧の水は持ち帰りも可能で、混雑していない時間帯、特に早朝に瀧の水を汲みに行くのも可能です。また、寺務所「滝の堂」では「音羽霊水」として1瓶500円で売られているため、それを購入するのも良いでしょう。

京都 金閣寺
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国名 / エリア アジア / 日本
登録年 1994年
登録基準 (ii) (iv)
備考 古都京都の文化財」の構成資産
Official site:音羽山 清水寺

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