パリのセーヌ河岸

Paris, Banks of the Seine

パリのセーヌ河岸

パリのセーヌ河岸とは

フランスの首都パリの中心には、セーヌ川が流れています。セーヌ川は、全長が約780kmあり、水源はラングル台地から始まり、イギリス海峡へ注ぎます。

「パリのセーヌ河岸」とは、パリ4区のアンリ4世大通りと5区のサンジェルマン大通りを結ぶ「シュリー橋」から、16区のトロカデロ庭園と7区のエッフェル塔の下に架かる「イエナ橋」までのおおよそ8kmのエリアを指しています。セーヌ川を挟み北側と南側に分かれ、「シテ島」と「サン・ルイ島」という2つの中洲があります。河岸の建造物などを含んだ一体のエリアが「パリのセーヌ河岸」として1991年に世界文化遺産に登録されました。

ノートル・ダム大聖堂
ノートル・ダム大聖堂

セーヌ川の北側は右岸、南側を左岸といい、右岸にはルーブル宮殿ルーブル美術館などが、左岸にはエッフェル塔があります。シテ島にはノートル・ダム大聖堂があり、サン・ルイ島には17世紀ごろに建てられた歴史的な建造物が多く残されています。

歴史

凱旋門
凱旋門

パリの歴史は紀元前3世紀ごろ、シテ島にあった集落から始まります。フランスは紀元前52年にローマに制服され、シテ島はルテチアと呼ばれていました。紀元前300年頃にケルト系部族のパリシイ族が、この地に集落を形成します。4世紀に入り、ルテチアは「パリ」と呼ばれるようになり、フランク王国メロヴィング朝の都となりました。

10世紀になり、ユーグ・カペーが王位についてカペー朝を開き、フランス王国と呼ばれるようになります。1163年にノートル・ダム大聖堂が建てられ、シテ島は宗教の中心となり発展。1180年にはルーブル宮殿の建設が始まり、市壁が整備され、セーヌ川に橋が架けられるなど急速に都市化が進みました。

しかし、14世紀に入り百年戦争の勃発やペストの大流行、反乱・虐殺・暗殺など多くの波乱が続き、18世紀に起こったフランス革命を経て、ナポレオン1世がカルーゼル凱旋門やエトワール凱旋門を建て、パリを帝都としました。ナポレオン3世によりパリの大改造が実施され、上下水道の設置や社会基盤の整備が行われ近代都市へと生まれ変わり、現在もその姿を残しています。

セーヌ川の北側は右岸(リヴ・ドロワト)といい、政治経済の中心地として栄え、南側を左岸(リヴ・ゴーシュ)といい文化の中心として繁栄しました。1991年にパリのセーヌ河岸のシュリー橋からイエナ橋までの約8kmが、世界文化遺産として登録されました。

必見ポイント

シテ島とサン・ルイ島

パリのセーヌ河岸

パリの始まりの地である「シテ島」と隣の島「サン・ルイ島」は、訪れるべき場所。シテ島にはノートル・ダム大聖堂があり、サン・ルイ島には17世紀に建てられた貴族の館が立ち並んでいます。ヴェルサイユ宮殿の建設に携わったル・ヴォーの建築が多く残っており、パリで最も高級な住宅地として有名。落ち着いた雰囲気の中、建築を見るなど散歩におすすめ。

ノートル・ダム大聖堂は、1163年に建設が始まったゴシック様式の大聖堂。ノートル・ダムとは、「われらの貴婦人」と言う意味で、聖母マリアをさしており彼女に捧げられたものです。14世紀初頭に完成しましたが、フランス革命で彫像が破壊され、19世紀に修復されました。2019年4月15日(現地時間)に大規模な火災が発生し、部分的に焼失したため、現在は修復作業が進められており見ることはできません。(2024年公開予定)

ルーブル美術館

ルーブル美術館

パリと言えばルーブル美術館。ルーブル美術館はもともと、歴代国王の宮殿でした。フランス革命後にナポレオン1世の戦利品と、歴代国王が集めていたコレクションを展示し、1793年に美術館として一般公開され、世界に知られることになります。展示フロアはのべ7万㎡にもおよび、所蔵作品は「モナリザ」や「ミロのヴィーナス」、「サモトラケのニケ」などの名作を含む37万点以上あります。約3万6000点の作品が随時展示されており、全てを見るために数日は必要。

美術館にはカフェも併設されており、休憩しながら鑑賞を楽しむことができます。

鉄の貴婦人、エッフェル塔

エッフェル塔
Photo by Anthony DELANOIX, on Unsplash

パリのランドマークと言えば、エッフェル塔。フランス革命100周年を記念して1889年に建設された電波塔です。ギュスターヴ・エッフェルが設計し、彼の名前にちなんでエッフェル塔と名付けられました。高さが312.3mあり、建設当時は世界で一番高い建造物でした。刺繍のような見た目から「鉄の貴婦人」と言う愛称があります。


国名 / エリア フランス / ヨーロッパ
登録年 1991
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (iv)
備考 ■関連サイト
Paris, Banks of the Seine(UNESCO)

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