ビスカヤ橋

スペイン北部のバスク地方、ビルバオに近いイバイサバル川河口に架かるビスカヤ橋は、高所から巨大なゴンドラをつるし、そこに人や車を乗せて移動させるという、世界最古のゴンドラを使った運搬橋です。1893年に完成しました。

設計者は地元ビルバオ出身のアルベルト・デ・パラシオ。橋桁がビルバオに向かう海上交通の妨げにならないよう、可動式ゴンドラを用いたデザインとなりました。橋の全長は約160ｍ、ゴンドラの高さは水面から45㎝です。重いゴンドラを吊るして移動させるためのケーブルに、建設当時としては革新的であった軽量のねじり鋼鉄ロープを使用しました。これはフランスとスペインの技術の結集で、産業革命期の世界各地での運搬橋の建造に多大な影響を与えました。

美しさと機能性を見事に兼ね備え、技術力と創造力の結晶とも認識されるビスカヤ橋は、2006年に世界遺産に登録されました。