イラン縦貫鉄道は、イラン国内の北端カスピ海から南端のペルシャ湾までを北東から南西へ、山岳地帯、川、高地、森林、平原など多様な地形と気候帯を貫き結ぶ鉄道です。全長1394kmに及ぶこの鉄道は、1927年に建設が開始され、1938年に完成を見ました。
その過程にはイラン政府と43の多国籍建設業者の協力がありました。急こう配や起伏の多い地形など、地理的難所を多く含む地域での大規模工事にあたっては、国際的な経験や最先端技術の知見が生かされ、イランと西洋の建築様式が融合された新たな建設構造も誕生しました。これはまた、後に世界の他の地での建設に生かされる新たな技術の発展にも繋がりました。イラン縦貫鉄道は、建設におけるグローバルレベルでの技術ノウハウの交換や文化交流を明確に示しています。
また一方で、イラン縦貫鉄道はイランと地域の他の国々との貿易、文化、経済の大幅な活性化に貢献しました。それはイラン、地域国家、そして結果として世界の他の国々の歴史的発展の過程において、重要かつ決定的な段階を示しています。
このような点が評価され、2021年に世界遺産に登録されました。
国名 / エリア | アジア / イラン |
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登録年 | 2021 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | Trans-Iranian Railway(UNESCO) |