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概要
日本でも愛くるしい姿で、とても人気があるジャイアントパンダ。そのパンダの故郷とも言えるのが、中国の中部、四川省のジャイアントパンダ保護区群です。7か所の自然保護区と9か所の風景名勝区から構成されています。
総面積は約9,200㎢で、東京都が4つ入る広さ。5,000種以上の植物が自生する豊かな自然の中で、世界のパンダ30%にあたる野生のパンダが生息しています。
「中国の国宝」とも言われるジャイアントパンダですが、乱獲などにより、その数が激減し、絶滅の危機にあります。この保護区ではパンダ以外にも絶滅の恐れがある動植物が生息しています。これらの保護の重要性から、2006年に世界自然遺産に登録されました。
歴史
ジャイアントパンダは人類が地球に誕生する以前から、今とほぼ変わらない姿で生息していたと考えられています。山奥で人目に触れることが少なく、かつては中国全土にいました。しかし、人間の目に触れるようになってから、毛皮のために乱獲されたり、生息地が開発されたりしてしまったために、数が激減。その数は約1,600頭と推定され、1990年にIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに絶滅危惧種として記載されました。
中国政府はこの危機を打開するために、保護活動に着手。ジャイアントパンダ保護区の研究センターでは、最先端の技術でパンダの人工繁殖に取り組み、数を増やすことに成功。現在は人工飼育したパンダを野生に戻す研究も行われています。
2014年にはジャイアントパンダの数は約1850頭まで増加。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストへの記載は変わっていませんが、絶滅危惧種から絶滅の危険性が高いとされる危急種にレベルが引き下げられています。
世界遺産登録の経緯
四川省のジャイアントパンダ保護区は、絶滅の危機にあるジャイアントパンダの30%に相当する約500頭が集中する世界で最も重要なパンダの生息地です。また、パンダについて研究し、飼育、繁殖させるための拠点でもあります。
パンダの他にもレッサーパンダ、ユキヒョウ、ウンピョウなど絶滅危惧種を含む109種の動物、365種の鳥類が生息しています。 植物も豊富で、絶滅の恐れがあるもの、固有種を含む5,000~6,000種が生息し、世界でも類を見ない広大な自然環境が残っています。植物学の研究対象になる植物も多く含まれます。
これらの動植物の多様性は非常に価値があるものです。その保護における重要性から、2006年に世界自然遺産として世界遺産に登録されました。
見どころ
成都ジャイアントパンダ繁育研究基地
成都ジャイアントパンダ繁育研究基地は成都市にあり、アクセスがしやすく、観光客に最も人気があります。ここではジャイアントパンダ40頭あまりの他、レッサーパンダが飼育されています。朝の早い時間に訪れると、朝の活動的なパンダを見られるのでおすすめです。
また、この施設では、パンダと写真撮影や、1日飼育員体験としてパンダと触れあうことができます。
博物館もあり、パンダの歴史や危機的状況を知ることができます。この世界遺産を知る上では、欠かせないスポットです。
雅安碧峰峡ジャイアントパンダ研究基地
雅安碧峰峡ジャイアントパンダ研究基地は成都パンダ基地よりも規模の大きく、パンダが高い木に登れるようになっているなど、野生に近い状態で飼育されています。四川大地震によって被害を受けた研究施設の移転先であり、80頭ほどのジャイアントパンダが保護されています。
ここでもジャイアントパンダとの写真撮影ができます。また、参加費用がかかりますが、多くのボランティアを受け入れており、掃除や餌やりで、パンダと近くで触れ合える貴重な体験ができます
このあたりの景色はとても壮大で、美しい自然環境を感じることもできます。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2006年 |
登録基準 | 自然遺産 (x) |
備考 | ■関連サイト Sichuan Giant Panda Sanctuaries - Wolong, Mt Siguniang and Jiajin Mountains(UNESCO) |