イエメン西部、標高2,200メートルの山間に広がるサナア旧市街は、石造の基壇の上に叩き固めた土や焼成レンガの多層塔状建築が密集する独自の都市景観を有します。建物は幾何学模様や白い石膏で装飾され、初期イスラーム期の空間構成を色濃く反映する均質な建築群として高く評価されています。
紀元前2世紀の定住以来、7世紀以降はイスラーム信仰拡大の中心地として発展し、オスマン時代には伝統的景観を尊重しつつ都市が拡張されました。5~8階建ての多層建築は防御機能と居住空間の最大化を両立させ、地元資材を活かした高度な工芸技術を伝えます。大モスクや庭園、公共施設はイスラーム文化と都市生活の融合を示す重要な証拠であり、サナア旧市街はイエメンおよびアラブ・イスラーム世界の歴史的・文化的中心地として高く評価されています。
国名 / エリア | アジア / イエメン |
---|---|
登録年 | 1986 |
登録基準 | 文化遺産 (iv) (v) (vi) |
備考 | ■関連サイト Old City of Sana'a(UNESCO) |