アイアンブリッジ峡谷

Ironbridge Gorge

アイアンブリッジ渓谷の概要

アイアンブリッジ峡谷

アイアンブリッジ渓谷は、イングランド中西部シュロップシャー州に位置するコールブルックデイルという街のセバーン川沿いにある渓谷です。

アイアンブリッジは産業革命の初期に完成した世界最古の鉄橋で、産業革命発祥の地としても名高く、地域の人々の生活を支えてきました。

アイアンブリッジ渓谷は、1986年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

世界遺産登録の経緯

アイアンブリッジ峡谷

アイアンブリッジ渓谷は、セバーン川沿いにあったことから「セバーン渓谷」と呼ばれていましたが、産業遺産となった鉄橋「アイアンブリッジ」がその地に造られたことにちなみ、「アイアンブリッジ渓谷」として名前が知られるようになりました。

産業革命は、18世紀初頭エイブラハム・ダービー1世が、コークスを燃料にした製鉄方法をイギリスで最初に開発したことにより、鉄の生産が増大したことから始まります。

アイアンブリッジ渓谷周辺では、石炭や鉄鉱石、石灰岩などの鉄製品の原料、鉄を熔解する燃料の木々、火を起こすための水力を生み出す川の水車など、資源が豊富にありました。それらの資源と、新しい製鉄方法によりコールブルックデイルの製鉄業は飛躍的に伸び、世界一の製鉄業の街となったのです。

鉄鋼業が盛んだったコールブルックデイルでしたが、産業革命以前は、橋が無く天候によっては氾濫や渇水になるなど、製品の運搬に支障をきたすことが多くありました。

そのため18世紀中頃、セバーン川に橋を架ける計画がもちあがり、1779年アイアンブリッジは完成しました。アーチ型が美しく、さらに機能や耐久性にも優れているアイアンブリッジは、現在もその機能を兼ね備えたまま健在しています。

アイアンブリッジ渓谷は、人類の創造的才能を表現する傑作であり、ある文化圏に置いて建築、技術、景観デザインの発展に関し人類の価値の重要な交流を示し、人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式であり、顕著で普遍的な意義を要する出来事に直接または明白に関連するものとして、1986年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

観光のポイント

アイアンブリッジ

アイアンブリッジ峡谷

トマス・プリチャードとエイブラハム・ダービー3世により設計され、1779年に完成した世界初の鉄製の橋です。1781年に開通した橋は、左岸側は石造りのアーチ、中央部はすべて鉄製の半円アーチ、右岸側は小さな二つの鉄のアーチ、という3つの部分から構成されています。全長約60m、幅7m、総重量400tもあります。

ブリスツ・ヒル・ビクトリアン・タウン

ブリスツ・ヒル・ヴィクトリアン・タウン
Blists Hill Victorian Town by diamond geezer, on Flickr

アイアンブリッジ渓谷の中にある施設の一つで、1973年にオープンした野外博物館です。製鉄業が栄え、繁栄していた頃のコールブルックデイルを再現した施設で、現在でも当時の溶鉱炉や工場跡、労働者の住居などが残されているほか、様々な施設や建物が復元されています。にぎやかだった頃の街の様子が体感できます。

国名 / エリア イギリス / ヨーロッパ
登録年 1986年
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (iv) (vi)
備考 ■関連サイト
Ironbridge Gorge(UNESCO)

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