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概要
マラッカ海峡に面したマレーシアの都市、ムラカ(マラッカ)とジョージタウンは、西洋の国々に支配され、東西貿易の拠点として繁栄してきました。ムラカ、ジョージタウン共に植民地時代の面影が色濃く残った街並の様子が素晴らしく、多彩な表情を見せてくれます。
多くの人々が移動してきた結果として、様々な宗教建築や歴史的建造物が多く存在しています。多様な文化、民族を否定することなく受け入れている平和な街です。
様々な国の歴史や多民族の生活の様子を感じられることから、マラッカ海峡の歴史的都市群:ムラカとジョージタウンは、2008年に世界文化遺産に登録されました。
歴史
ムラカ
15世紀の初め、現在のムラカを中心とした広大な地域に、海上貿易で力を持っていたイスラム教徒の影響を受けたマラッカ王国が誕生しました。マラッカ王国は東西貿易の中心地として繁栄を極めますが、時代と共に、ポルトガル、オランダ、イギリス等に順々に支配されていくという特異な経歴を持っています。
多くの人々が行き交った結果、多様な民族、文化が入り混じり、支配した国々や移り住んだ民族達は、それぞれ様々な特徴を持つ建造物を建設していきました。多くの国の植民地時代を経て、20世紀に現在のムラカで独立宣言が行われました。
ジョージタウン
1786年、イギリス東インド会社のフランシス・ライトが、東南アジアへの進出の拠点にするためにペナン島に入ります。そこからペナン島はイギリスの植民地となりました。
ペナン島にあるジョージタウンは、18世紀から東西の交易の中心地として栄え、様々な人々が行き交うようになります。多民族が融合し、それぞれの文化に基づいた建築物が次々と建設されていきました。イギリスに支配された時代を経て、20世紀には独立を果たします。
世界遺産登録の経緯
ムラカの中心であるオランダ広場は、色鮮やかなサーモンピンクの建物群が印象的で、オランダ統治時代の雰囲気を感じることができる歴史ある場所です。街にはポルトガルやイギリス統治時代の建築物も数多く残っています。多くの歴史的建造物、様々な文化、民族が融合した異国情緒あふれる風景等に接することができるムラカの街並は、歴史の変遷をとてもよく物語っています。
ペナン島の中心的存在の街であるジョージタウンには、イギリス植民地時代の面影が多く残っています。至る所にある重厚なコロニアル建築はその象徴です。
ムラカ、ジョージタウン共に、東西貿易の発展により多くの民族が移り住みました。そのことから、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教、仏教等の多様な宗教建築物も数多く存在しています。
植民地時代の影響が残る歴史的建造物や、多民族、多文化を感じられる宗教建築物等が数多く残り、様々な民族や文化を受け入れ共存しているとても価値ある街であることから、2008年に「マラッカ海峡の歴史的都市群:ムラカとジョージタウン」は世界文化遺産に登録されました。
ムラカの必見ポイント
セント・ポール教会
ポルトガル統治時代の1521年に、ポルトガル人が建設したキリスト教布教のための教会です。隣にフランシスコ・ザビエルの像があります。
チェン・フン・テン寺院(青雲亭)
1646年に建設されたマレーシア最古の中国寺院で、内外共にとても美しい装飾が施されています。
ジョージタウンの必見ポイント
スリ・マハ・マリアマン寺院
1883年に建設されたヒンドゥー教寺院で、赤、青、黄等の色鮮やかな彫刻が施されています。金や銀、ダイヤモンド等も使用され、ヒンドゥー教の神々の存在を感じ取ることができます。
カピタン・クリン・モスク
1801年に建設された、インドのムガール様式のイスラム教寺院です。白、茶、グレー等の色彩が美しさを醸し出しています。
イースタン&オリエンタル・ホテル
1885年に建設された、コロニアル建築の由緒ある豪華なホテルです。最高級のホテルとして有名で、とても優雅な気分に浸ることができます。部屋によってはマラッカ海峡を一望することができます。宿泊しない場合でも見学する価値のある素晴らしいホテルです。
国名 / エリア | アジア / マレーシア |
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登録年 | 2008年 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Melaka and George Town, Historic Cities of the Straits of Malacca(UNESCO) |