「雲南三江併流の保護地域群」は、中国雲南省北西部に広がる自然保護区群で、2013年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。この地域は、金沙江(ジンシャ江=長江の上流)、瀾滄江(ラサン江=メコン川の上流)、怒江(ヌージャン江=サルウィン川の上流)という三つの大河が並行して流れる独特の地理的特徴を持ち、世界でも類を見ない複雑で多様な生態系を育んでいます。
三江は急峻な峡谷や深い渓谷を形成し、標高差が大きいため、熱帯から亜寒帯までの多様な気候帯が狭い範囲に共存しています。その結果、生物多様性が非常に豊かで、絶滅危惧種を含む多くの希少動植物が生息しています。特に、中国固有種や国際的に重要な生態系が数多く確認されており、貴重な遺伝資源の宝庫となっています。
また、雲南三江併流地域は、伝統的な少数民族文化も息づく場所であり、自然環境と人間生活が長い歴史の中で調和してきたことも評価されています。保護区群は国立公園や自然保護区など複数の区域から構成されており、その保全活動は国際的にも注目されています。
「雲南三江併流の保護地域群」は、世界でも稀な地理的条件がもたらす壮大な自然景観と、豊かな生態系を持つ自然遺産であり、地球規模での生物多様性保護に極めて重要な地域です。訪れる人は、息をのむような峡谷美と多彩な自然に触れることができます。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2003 |
登録基準 | 自然遺産 (vii) (viii) (ix) (x) |
備考 | ■関連サイト Three Parallel Rivers of Yunnan Protected Areas(UNESCO) |