W-アーリー-ペンジャリ保護地域群

W-Arly-Pendjari Complex

「W‑アーリー‑ペンジャリ保護地域群(W-Arly-Pendjari Complex)」は、西アフリカのニジェール、ブルキナファソ、ベナンの3か国にまたがる広大な自然保護地域群で、2017年に世界遺産に登録されました。総面積は約171万ヘクタールに及び、サバンナ、低木草原、森林列、川沿いのギャラリーフォレストなど、多様な植生が連続する地域です。

この地域は、西アフリカの大型哺乳類の最後の安定的生息地のひとつとして知られ、アフリカゾウ、ライオン、チーター、ヒョウ、バッファローなど、多くの絶滅危惧種が暮らしています。特にゾウの個体数は西アフリカ全体の約8割を占めるとされ、希少種保護の最前線となっています。また、乾季と雨季の変化に応じて生態系が動的に変化するため、多様な野生動物や植物が共存する豊かな自然環境が維持されています。

この保護地域群の特徴は、国境を越えた広域保護ネットワークであることです。動物が移動しやすい広大な保護地が三か国にわたって連続しており、国際協力による自然保護のモデルケースとしても注目されています。

一方で、密猟、過放牧、地域開発、治安問題など、保全上の課題も抱えており、各国と国際機関が協力して保護体制の強化に取り組んでいます。W‑アーリー‑ペンジャリは、手つかずの自然と多様な生態系、希少野生動物を守る西アフリカの重要拠点として、世界的に高い価値を持つ自然遺産です。

国名 / エリア アフリカ / ニジェール / ブルキナファソ / ベナン
登録年 1996
登録基準 自然遺産 (ix) (x)
備考 ■関連サイト
W-Arly-Pendjari Complex(UNESCO)

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です