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ウルル=カタ・ジュタ国立公園の概要
ウルル=カタ・ジュタ国立公園は、オーストラリア大陸のほぼ真ん中に位置しており、1987年国立公園に登録された、オーストラリア連邦の国立公園のひとつです。先住民であるアボリジニによる所有地で、公園内には現在もアボリジニの集落があります。
世界遺産登録の経緯
最高の自然美をもち、動植物の進化と発達において重要なプロセスを示す地域であることから、1987年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。
約4~5万年前から住み続けるアボリジニが、過酷な自然環境の中で、伝統的な生活を維持する貴重な文化を続けていることが認められ、1994年には文化遺産にも登録されました。そのため現在では複合遺産として登録されています。
構成資産
国立公園内にはウルル山(エアーズ・ロック)とカタ・ジュタ山(マウント・オルガ)の2つの山が横たわっています。ウルルもカタ・ジュタも、もとは巨大なひとつの岩山でしたが、雨や風により浸食され、悠久の時の流れを経て今の形になったといわれています。
ウルルは、世界で2番目に大きい一枚岩で、高さは340m、周囲は9.4㎞もあります。地上に出ている部分は、全体の10分の1程といわれており、6億年以上前に、海底に堆積した砂岩層が隆起し、浸食と風化により固い部分だけが残ったといわれています。
オーストラリアの先住民アボリジニの重要な聖地のひとつであり、太古の昔から生活してきた「家」ともいえる存在です。畏敬の念をもって大切にされてきました。
カタ・ジュタは大小36個の岩が連なる奇岩群であり、最も高い岩で546mもあります。アボリジニのもうひとつの聖地とされており、特に夜間は多くの儀式が行われます。アボリジニ語で「多くの頭」を意味します。
国立公園内には22種類の哺乳類、150種類の鳥類、世界で2番目に大きいトカゲなど様々な生物が生息しています。
ウルル(エアーズロック)
ウルルは朝日や夕陽を浴びて7色に変化するといわれ、特に夕陽が赤く染まる風景は多くの人に感動を与えています。日本では2001年に片山恭一の小説「世界の中心で、愛をさけぶ」の舞台としても注目をあびました。世界の中でも地球の力強さを感じられるパワースポットです。
かつては観光客による登山が許可されていましたが、2019年10月25日の夜をもって観光客向けの登山は中止となりました。
アボリジニのアナング族により、以前からウルルへは登山禁止を訴えられており、その主張が通った形となります。ウルル登山が禁止された10月26日はアナング族の人々にとって大切な日であり、1985年10月26日にウルル、カタ・ジュタ一帯はオーストラリア政府からアナング族に返還されたのです。
現在は珍しい動植物を身近に感じられるアクティビティや、アボリジニの芸術、文化体験を行う文化的なアクティビティも増えています。
国名 / エリア | オセアニア / オーストラリア |
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登録年 | 1987年、 1994年範囲拡大 |
登録基準 | 複合遺産 (v) (vi) (vii) (viii) |
備考 | ■関連サイト Uluru-Kata Tjuta National Park(UNESCO) |