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概要
シドニー・オペラハウスはオーストラリア・シドニー湾に突き出た岬、ベネロン・ポイントに位置する歌劇場です。1973年に完成したこの建造物は「20世紀を代表する近代建築の傑作」と絶賛され、今もなお名声を世に轟かせています。
その最大の特徴は、なんといっても独創的な曲線を描く屋根を持ち、背景と調和して海に浮かんでいるように見えるシルエットの美しさでしょう。この建築物は2007年に世界遺産にも登録されており、まさに20世紀を象徴する建築物と言えます。
シドニー・オペラハウスの歴史
世界のオペラハウスの中で有名なものとして、イングランドのグラインドボーン・オペラハウス、ミラノのスカラ座などが挙げられます。
歴史あるそれらのオペラハウスを抑えて、今や圧倒的な知名度を誇るシドニー・オペラハウスですが、建築のきっかけは「シドニーにもオペラハウスを」という人々の熱い思いでした。
1957年、まだ無名だったデンマーク人建築家ヨーン・ウツソンの考案したデザインが審査を通り、建築のプロジェクトが始まりました。当時の建築技術からしても非常に複雑なデザインだったこともあり、その工程は困難を極めました。紆余曲折を経て当初の予定より10年遅い1973年に完成したシドニー・オペラハウスは、ウツソンのデザインをでき得る限りの形で再現しており、その独創性は世界中の人々を驚かせたのでした。
世界遺産登録の経緯
シドニー・オペラハウスは、その完成までに実に14年の月日を要し、なんと建設費として1億2000万ドル、日本円にして100億円を超える巨額がつぎ込まれました。この計画の実現のためオーストラリア政府は宝くじを発行し、その収益で建設費をまかないました。
そして、ついにこれほどの情熱を注ぎ込んだ建築家たちや地元住民の努力が評価される時が来ます。2007年「人類の創造的資質を示す傑作」という世界遺産登録基準に合致したシドニー・オペラハウスは、世界文化遺産に登録された数少ない20世紀建築のひとつとなりました。2021年現在、世界遺産に登録されている建造物の中で最も新しい建築物となっています。
必見ポイント
独創的なシルエット
シドニー・オペラハウスの外観を目にして、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
湾につき出ているこの建築物の特徴から見ても、青い空と海の間を航行する帆船や、貝を想像する人も多いのではないでしょうか。
シドニー・オペラハウスの全貌が見渡せるロケーションとして、王立植物園をお勧めします。様々な植物が1年を通して楽しめるこの場所からは、ハーバーブリッジとともに、この建築物の優美さを存分に堪能することができます。
シドニー交響楽団の定期演奏
シドニー・オペラハウスでは、実に年間1600もの公演や演奏会が行われています。とくにシドニー・オペラハウスに本拠地を置くシドニー交響楽団の定期演奏会を、現地を訪れた際に一度鑑賞してみてはいかがでしょう。
インターネットで事前に日本でチケットを購入して、現地に赴くのがおすすめです。素晴らしい音楽に酔いしれる一晩は、シドニー観光の粋な楽しみ方となるでしょう。
幻想的な夕暮れ
夕暮れ時、シドニー・オペラハウスに近接するオペラ・バーは、この特別な時間を楽しむ人々で賑わいます。夕日を見ながら談笑し、ロマンチックな雰囲気の中で夜風を感じながら食事を楽しむことができます。