シルクロード：長安−天山回廊の交易路網

シルクロードの交易路網は紀元前2世紀から紀元1世紀にかけて築かれました。以後、16世紀までの長期間に渡り、幾多の文明を結び、貿易、宗教や信仰、科学的知見、技術革新、文化慣習や芸術など、さまざまな交流を促しました。漢・唐時代の中国の長安・洛陽から、中央アジアのジェティ・ス地区に至る5000kmが、「シルクロード：長安−天山回廊の交易路網」として2014年に世界遺産に登録されました。

３カ国にまたがるこの世界遺産は中国22件、カザフスタン8件、キルギス3件の合計33件の構成資産から成り立ち、都市遺跡、交易拠点、仏教の石窟、古道、郵便局、峠、万里の長城の一部、要塞、墓や宗教建造物が含まれています。

その広大なネットワークと、ユーラシア大陸の交易、文明、文化や価値観の交流を支えた歴史的意義はもちろんのこと、精巧で洗練された水管理システムが住民や旅行者、作物の灌漑へ水を供給し、都市の発展を促した顕著な例としても評価されました。