サン・アントニオ伝道施設群

San Antonio Missions

サン・アントニオ伝道施設群は、アメリカ南部テキサス州サン・アントニオ市に位置し、サン・アントニオ川流域に沿って約12.4キロメートルにわたって点在する5つの伝道施設から成る歴史的遺産です。18世紀初頭、スペイン王室がヌエバ・エスパーニャ(スペイン領新大陸)北部辺境の植民・布教・防衛のために築いた施設群です。

遺構には農地、牧場、住宅、教会、穀物倉、水利施設などが含まれ、先住民族、宣教師、植民者の間で生まれた文化的交流の証とされています。特に、狩猟採集民であった先住民コアウイールテカン族が、一世代で定住型農耕民へと転換した過程は、大きな文化的変化を示しています。伝道所の囲われた構造や近接性、住民間の知識共有、共通言語・宗教の早期導入などによって、スペイン文化と先住文化が融合した新たなアイデンティティが形成されました。それは、中央広場に向けて配置された住居群や、カトリックと先住民の自然モチーフが融合した装飾、布教後も続く共同体意識などに表れており、今なおその影響は色濃く残されています。

国名 / エリア アメリカ合衆国 / アメリカ大陸
登録年 2015
登録基準 文化遺産 (ii)
備考 San Antonio Missions(UNESCO)

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