ルート砂漠

ルート砂漠はイラン南西部に位置し、多様な砂漠地形を誇る、極度に乾燥した亜熱帯地域です。ルートとはペルシア語で「水も植生もない裸地」を指します。この地域は地球上で最も高い地表明温度に達することが多く、70.7℃を記録したこともあります。

6月から10月にかけて強風が吹き、土砂が運ばれて大規模な浸食が引き起こされます。それにより形成されるヤルダンという大規模な波状の尾根で知られています。ヤルダンはそのスケールの大きさから、宇宙からも認識することができます。

ヤルダンの他にも、三日月形の尾根や星形の砂丘、植物の周りのわずかに湿った部分に形成されるネブカという砂丘、塩田など、砂の浸食や堆積により作り出される多様な地形が見られ、地質学的にも非常に貴重で重要な場所となっています。

このような点が評価され、2016年に世界遺産に登録されました。