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概要
フマユーン廟はインドの首都デリーにある、ムガル帝国第2皇帝フマユーンのお墓。デリーの中心部南東端にあるプラーナ・キラーの南に建っており、庭園と霊廟(れいびょう)から構成されている世界遺産です。
典型的な庭園霊廟といわれていて、左右対称の建物と庭園があることから「庭園の中の廟」といわれています。
インド初のムガル様式の霊廟でタージ・マハルにも影響を与えたという歴史的な価値の高さから、1993年にユネスコ世界遺産に登録されました。
特徴
フマユーンは16世紀初頭から17世紀にかけて最盛期を迎えたムガル帝国の第2代皇帝で、1530年に即位しました。
フマユーンは多くの対抗勢力が存在した当時の北インド周辺において、皇帝としての手腕をふるうことができず、1940年にスール朝に敗れたのち国を追い出され、亡命生活を余儀なくされるのです。この亡命生活のさなかで一生の伴侶であるハミーダ・バーヌー・ベーグムに一目ぼれをして結婚しています。
その後イランのサファヴィー朝の力を借りたフマユーンは、1555年にインドへ舞い戻りスール朝を倒してムガル帝国を復興させました。しかし、そのわずか半年後に階段から転落して頭を打ち、急逝してしまったのです。
彼の死を悼んだハミーダは、亡きフマユーンを偲んで9年の歳月をかけて廟を完成させました。
廟は大きな球根のドーム、角の細い尖塔、巨大なホール、統一された構造をもっている典型的なムガル建築であり原点でもあるのです。
見どころ
フマユーン廟
フマユーン廟は高さ21m、幅48mの霊廟で、21.6ヘクタールの広大な敷地に10haの庭園を有しています。墓廟は上下二層構造になっており、基壇と呼ばれる正方形の土台に廟が載っているような造りになっています。
廟の四方にはイーワーンという特有のホールと門が設けられており、これらは四方どこから見ても同じように見えるよう設計されています。
廟の建物の赤い部分は砂岩、白い部分は大理石でできており、組み合わされて幾何学模様のようになっています。
中央にドームがある左右対称の建物は、入口のアーチを通して見たとき、その安定した姿とイスラム建築の美しさを感じることができます。四面どこから見ても同じ外観をしている、ペルシア様式がこの墓廟の特徴です。
廟の内部には、フマユーン皇帝のほかフマユーン廟を建てた妃ハミーダ・バーヌー・ベーグムと王子ダーラー・シコー、宮廷の要人など計150名が葬られているそうです。
中央にある玄室にはセノターフと呼ばれる大理石の模棺が安置されており、実際に遺体が入っている本物の棺はこの真下に収められています。
国名 / エリア | アジア / インド |
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登録年 | 1993 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Humayun's Tomb, Delhi(UNESCO) |