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ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群の概要
「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」は、トルコのカッパドキア地方にある国立公園と石窟群で、広さは2500万㎢あります。有史以前の大噴火により火山灰と岩石が大量に堆積し、凝灰岩や玄武岩が長い年月浸食されたことで地層が形成され奇石群となりました。
ギョレメ渓谷には、迫害を逃れてきたキリスト教徒のシェルターとして多くの教会や住居、修道院、その数300か所以上とも言われる地下都市が残されています。
ギョレメ国立公園とカッパドキアの石窟群は1985年、ユネスコの世界複合遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
西暦64年代ローマ帝国時代に迫害を受けたキリスト教徒は、カッパドキア奇石の洞窟に教会や住居をつくって暮らし始めました。その後キリスト教は国教に指定されましたが、キリスト教徒は住み続け、7~13世紀におけるビザンティン帝国でのイコン破壊運動や、イスラム教徒からの迫害時にはさらに増え、最盛期には6万人に達したとも言われています。
洞窟を掘り広げ、さらに新たな洞窟を掘って聖堂や修道院をつくりキリスト教を守りました。聖堂の入り口は岩山のように見えますが、中に入ると華麗な聖像画で飾られています。洞窟内のため光が差し込むことはなく、そのせいで保存状態は良く芸術的価値に優れた作品が多く存在します。
20世紀のギリシアとの戦争後、ギリシア内のイスラム教徒とトルコ内のキリスト教徒を交換する条約を結んだことで、カッパドキアにはキリスト教徒がいなくなりました。
人類の創造的才能を表現する傑作であり、現存または消滅した文明の稀有な証拠である文化を代表する伝統的集落であり、ひときわ優れた自然美をもつ地域であることから、ギョレメ国立公園とカッパドキアの石窟群は1985年ユネスコの世界複合遺産に登録されました。
観光のポイント
ギョレメ野外博物館
ギョレメ野外博物館には、約30の岩窟教会、礼拝堂や修道院が存在します。その中には鮮やかで美しいフレスコ画が多くありますが、特に保存状態が良いとされる暗闇の聖堂のものや、鮮やかな青を基調としたカッパドキア最大規模であるバックルの聖堂のフレスコ画が有名です。
野外博物館では岩窟教会の見学ができ、リンゴ教会、サンダル教会、聖バーバラ教会に人気があります。
カイマクル地下都市
カイマクル地下都市はカッパドキアに残る最大級の地下都市で、地下8層(深さ約55m)づくりで常時約4千人、多い時には約8千人もの人たちが暮らしていたともいわれています。
学校やクリニック、共同の食堂や教会、集会所や厨房、ワイナリーなど設備が整っており、隣のデリクユ地下都市と繋がっていた通路も確認されています。現在観光できるのは地下の一部のみですが、強化ガラスから下の階を見ることもできます。
国名 / エリア | アジア / トルコ |
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登録年 | 1985年 |
登録基準 | 複合遺産 (i) (iii) (v) (vii) |
備考 | ■関連サイト Göreme National Park and the Rock Sites of Cappadocia(UNESCO) |