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ボロブドゥール寺院遺跡群とは
インドネシアのジャワ島中央部にあるジョグジャカルタの北西には、8~9世紀頃に建造されたボロブドゥール寺院、パオン寺院、ムンドゥ寺院の3つの仏教寺院があります。仏教の世界観を見事に表している寺院の遺跡群であるということから、これらの仏教寺院を合わせてボロブドゥール寺院遺跡群として1991年に世界文化遺産に登録されました。
特徴
3つの遺跡群の中で、特にボロブドゥール寺院は壮大なスケールです。一辺123mの方形の基壇上に、5層の方壇、3層の円壇がピラミッド状に重なった構造をしていて、頂点には大ストゥーパがそびえています。世界最大級の仏教寺院として人々を圧倒させています。
ボロブドゥール寺院は、仏教の世界観を表す三界を見事に表しています。人間の煩悩に満ちた「欲界」は基壇部分、欲望は断ったけれどまだ肉体の存在する「色界」は方壇部分、肉体を離れ、精神的要素のみからなる「無色界」は円壇部分というように、ボロブドゥール寺院の各場所に三界それぞれの世界が割り当てられています。下から上へと登る過程で、煩悩から悟りへの道を体験することができます。
ボロブドゥール寺院から東へ約1.5㎞に位置するパオン寺院、そして同じく東へ約3㎞に位置するムンドゥ寺院は、ボロブドゥール寺院と同時期に建造された仏教寺院です。共に外壁のレリーフが美しく、ムンドゥ寺院には、三体の仏像が内部に安置されています。
世界遺産登録の経緯
ボロブドゥール寺院、パオン寺院、ムンドゥ寺院は、8~9世紀頃、ジャワ島中部で勢力のあったシャイレーンドラ朝の王達により建設されたと推定されています。これら3つの寺院は、見ごたえのある仏教美術として大変価値のあるものです。
特にボロブドゥール寺院は、仏教の世界観を見事に表現した壮大な建造物で、夕暮れと夜明けの時間帯は、太陽の光に寺院が照らされてとても美しく、その様子は非常に幻想的です。
当時の仏教美術の素晴らしさを現在も感じることができ、大変神秘的で偉大な仏教建築群であることから、ボロブドゥール寺院、パオン寺院、ムンドゥ寺院の3つの遺跡を合わせて、ボロブドゥール寺院遺跡群として1991年に世界文化遺産に登録されました。
必見ポイント
ボロブドゥール寺院~レリーフ
ボロブドゥール寺院の方壇の回廊壁面にはレリーフが存在し、その数は1460にも及びます。彫りが深く、躍動感のあるレリーフで、人物等の表情はとても豊かで生き生きしています。
ボロブドゥール寺院~ストゥーパ(仏塔)
ボロブドゥール寺院の円壇部分には、全部で72もの小ストゥーパが規則的に並んでいます。鐘型をした小ストゥーパは透かし格子になっていて、3層のうち下2層は菱形の格子、上1層は正方形の格子というように分けられています。小ストゥーパの内部に、一体ずつ仏像が安置されているのを外から見ることができます。
円壇部分の頂点には、ブッダの遺骨や遺髪を納める場所であった大ストゥーパがそびえています。
ボロブドゥール寺院~仏像
ボロブドゥール寺院には、全部で504体もの仏像が、方壇や円壇に配置されています。たいへん柔和な表情をした仏像達が、訪れる人々を出迎えてくれます。