Table of Contents
概要
ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会伝道所群は、メキシコのケレタロ州シエラ・ゴルダ地方にあるフランシスコ会士によって、1750年代に設立された建物群です。伝道所群の設立で伝道不足の地アリゾナ、テキサスなどへの伝道拠点が出来上がります。華奢な造形のファサードを持つ聖堂などの他、5つの伝道所が2003年ユネスコ世界遺産に登録されました。
構成資産
ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会伝道所群として世界遺産に登録されているのは下記の5つ。
1.サンティアゴ・デ・ハルパン
2.ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ルス・デ・タンコヨル
3.サンタ・マリア・デル・アグア・デ・ランダ
4.サン・フランシスコ・デル・バレ・ティラコ
5.サン・ミゲル・コンカ
この5つのうち、1、3、4の3つの伝道所は中庭と回廊を有する16世紀のヨーロッパ修道院を連想させる建物となっています。しかし、建物の基礎が十字型になっていて複雑な装飾を施した黄土色の漆喰のファサード、聖堂内の石膏像などは17~18世紀のメキシコバロック建築の要素も兼ね備えています。
2、5の伝道所は、1、3、4の伝道所より独特の外観を持っています。建物は地元の石材を積み上げ石膏を塗ったものです。建物のファサードはつる植物や花、天使や聖マリア、聖フランシスコを含む聖人の像などで飾られています。宣教師と先住民たちが協力して作業にあたったものとして注目されています。
特徴
この建築群の最大の特徴は、信者となったメキシコ先住民たちがてがけた独自の彩色や彫刻です。聖堂といえばフランスなどの白い建物をイメージすると思いますが、このケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会伝道所群の建物は、赤茶色の土をまとった独特の色合いをした建物となっています。
メキシコにある世界遺産は全体的に野性的な香りのする場所ばかりですので、「白亜の宮殿、白亜の聖堂」をイメージしていくとギャップに驚くこととなりますが、いろいろな意味で他国にはない貴重な宗教美術の勉強の場となるでしょう。
シエラゴルダ生物圏保護区
ケレタロ州の山岳地帯、シエラ・ゴルダ地域にあるこの教会群は、山深い渓谷地域に点在しています。またユネスコが「人間と生物圏計画」に基づいて成立した国際的な指定保護区である「生物圏保護区」となっていますので、手つかずの自然も満喫できるエリアとなっています。世界遺産巡りと合わせて自然を思いっきり堪能しましょう。
それぞれの伝道所は車で平均40分程度離れています。山間部を車で移動する必要がありますので、車酔いなどご注意ください。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / メキシコ |
---|---|
登録年 | 2003年 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) |
備考 | ■関連サイト Franciscan Missions in the Sierra Gorda of Querétaro(UNESCO |