蘇州古典園林

Classical Gardens of Suzhou

蘇州古典園林
photo by cattan2011

蘇州古典園林(そしゅうこてんえんりん)の概要

中国の江蘇省蘇州市に位置する歴史的な庭園の総称であり、「拙政園」「留園」「網師園」「環秀山荘」の4カ所が1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。2000年には「滄浪亭」「獅子林」「藕圃」「藝園」「退思園」が加えられ、計9つとなったこれらの庭園は「地上の楽園」とも称されています。その美しさは13世紀末、マルコ・ポーロの旅行記「東方見聞録」の中で「東洋のヴェニス」と讃えられたほどで、蘇州の歴史文化を飾っています。

中国の伝統的な造園は、自然と人工を巧みに組み合わせ、小規模な形で再構築することを追求してきました。上記に取り上げられた9つの庭園はそれらの中でも代表的な例であり、最高傑作と称され人々に親しまれているのです。その中でも「滄浪亭」「獅子林」「拙政園」「留園」は合わせて蘇州四大園林と呼ばれており、加えて「拙政園」「留園」は中国四大名園としても知られています。

蘇州・庭園の歴史(紀元前から続く水の都)

かつて水郷都市として発展した蘇州の歴史は古く、春秋時代に栄えた紀元前6世紀の呉の時代までさかのぼります。この地域は物資を運ぶ船がそのまま場内に入れるようになっており、商館が多く立ち並ぶ中、中国国内のみならずインド、アラビアなどからの商人で賑わいました。
そして6世紀になる大運河が作られ、隋の時代には物資の一大集積となって大きく発展したのです。

蘇州は美しい庭園の街としても有名です。
蘇州で庭造りが開始されたのは11世紀の宋の時代。さらに明~清の時代に盛んに行なわれ、清代末には庭園の数は400にも上りました。庭園の多くは10世紀~20世紀初頭の5代から清の時代にかけて作られましたが、これらの多くは一般人が私的に作ったものです。これを私家園林と呼びます。
これらの庭園には世俗から離れ、桃源郷へと人々をいざなってくれるという伝説が存在します。

世界遺産登録の経緯

「歴史的に有名な都市である蘇州の園林ほど中国の古典庭園の理想を表現するものはない」と世界遺産委員会が評価するほど中国文化の奥深さやムードを反映していると評価され、登録につながりました。これらの庭園の緻密なデザインは中国文化において自然の美しさが深い哲学的意味を持つことを表しています。

観光のポイント

時を超え今も尚人々の心を癒す蘇州の庭園。その中でも壮大な美を誇る中国四大庭園の2つ、「拙政園」「留園」を紹介します。

拙政園(せっせいえん)

拙政園

拙政園は蘇州で最大規模を誇る庭園で、明代のエリート官僚であった王献臣(おうけんしん)が堕落した政治の世界に失望し、故郷の蘇州に戻り建てたものです。拙政とは「愚かな者の政治」という意味があります。この庭の名は、当時の役人を皮肉った言葉によって名づけられました。

この庭園の造りの特徴は、大きな池を中心とし、隋所に借景や背景のような庭造りの技法が凝らされているところです。また。池を中心に東、西、中央と区切られ、それぞれの塀に洞窟の入口に見立てた洞門が建てられています。古来、洞窟の先には理想郷が存在すると考えられており、この庭も人々を別世界へ誘う入口なのです。

留園(りゅうえん)

留園は明の時代に造園された後に何度か作り直され、現在の姿となったのは清の時代となってからです。留園の最大の特徴は、仙人が住むとされた理想郷を表現した大きな池、そして池の周りにある変わった形の石です。それらは太湖石(たいこせき)と言われ、仙人の住む深山幽谷を表すのに欠かせませんでした。

留園の奥には蘇州の庭園最大の太湖石、「冠雲峰」がそびえ立ちます。


国名 / エリア アジア / 中華人民共和国
登録年 1997年/ 2000年範囲拡大
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (iii) (iv) (v)
備考 ■関連サイト
Classical Gardens of Suzhou(UNESCO)

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