ウズベキスタン南部の都市シャフリサブスは、1370年に築かれたイスラム国家ティムール朝の建国者、ティムールの生誕地として知られています。14~15 世紀にかけ、ティムール帝国第二の都市、文化と政治の要所として栄えました。この時代の歴史的建造物が評価され、「シャフリサブス歴史地区」が2000年に世界遺産に登録されました。
ティムールはサマルカンドに代えて、故郷のシャフリサブスを帝国の首都に定めようとしたとも伝えられ、街には大規模な建築や他に例を見ない優れたモニュメントが多数造られました。中でも現在目を引くのは、アクサライ宮殿の巨大な門の遺構です。ティムールが夏を過ごすために建てられたこの宮殿は、当時中央アジアで最大の規模を誇りました。1380年の建設開始時には、帝国各地から優れた職人たちをこの地に移住させ、宮殿の装飾に従事させたそうです。
アクサライ宮殿を含むシャフリサブスの建造物の多くは、16世紀にブハラ・ハン国の攻撃により破壊されました。しかしこの宮殿の門は、上部こそ崩壊しましたが、高さ約38メートルの雄大な姿で現存しています。
他にもティムール朝時代からシャフリサブスに残るモスク、霊廟、古代の家屋などが、歴史地区の構成遺産として世界遺産に登録されています。しかし、近年は過度の観光開発が問題視され、2016年の第40回世界遺産委員会において、危機にさらされている世界遺産(危機遺産)リストに記載されました。
国名 / エリア | アジア / ウズベキスタン |
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登録年 | 2000 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Historic Centre of Shakhrisyabz(UNESCO) |