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概要
サーンチーはインドの中部マディヤ・プラデーシュ州の小さな村に位置しています。サーンチー遺跡は古代インドのマウリヤ朝時代にアショーカ王が建設しました。
仏教遺跡としてはインドで最も古い建造物となり、その周辺の古い遺跡も含めて、1989年にユネスコ世界遺産 に登録されました。
仏教の聖地
仏教は古代インドで釈迦(仏陀)が開いたとされる宗教です。仏教徒にとってインドは聖地の一つとされています。
インドでの仏教は古代仏教と言われ、日本とはまた違った仏教にはなりますが、釈迦(仏陀)の生誕の地になりますので、仏教徒にとっては関わりのある地です。そしてサーンチーの仏教建築物群はその中でも最古の仏教遺跡とされているので、ここが市民の仏教信仰の聖地とも言われています。
インドでの信仰
インドは仏教発祥地でありながら、現在インドではヒンドゥー教信者が大多数を占めています。
インドで仏教が衰退した理由に政治的理由など様々な憶測があります。しかしインドで根強く残るカースト制に不満のあるダリットと呼ばれる最下層の市民は、ヒンドゥー教の信仰に不満を持ち仏教を信仰している人が多く存在します。
日本で当たり前に信仰されている仏教ですが、発祥地インドでは1%ほどの少数派の信仰宗教なのです。
仏教に心を砕いたアショーカ王
アショーカ王は古代インドの王様で、世界遺産サーンチー遺跡の生みの親です。その在位は紀元前273~前232年頃とされています。初めて国家統一をなしとげたマウリヤ朝で、最盛期を築いた王様になります。
そしてその在位中にサーンチー遺跡を建設したアショーカ王ですが、初期の頃は暴君と言われる程の強い王でした。しかし戦争で捕虜10万人を虐殺した事を悔いて、仏教の道へと進むことになります。
仏教の道へ進んでからは、仏教という宗教だけに限らず、宗教全体を整えた制度を作ったり、8万
を超える仏教遺跡を建てたりと、仏教に心を砕いた王とされています。
サーンチーストゥーパ
ストゥーパとは釈迦(仏陀)の骨を納めた、建造物の事を言います。その中でもサーンチーのストゥーパは世界最古と言われ、全部で8つの塔が存在していました。
しかしサーンチーはインドの仏教の聖地と言われながら、仏教の衰退により長い間誰にも知られる事のない、森の奥地で眠っていました。19世紀まで眠っていたその遺跡が発見された時には遺跡の倒壊が進んでおり、8つあった塔は3つのみが現在見ることが可能です。
第一塔
サーンチーの遺跡群の中でも、ストゥーパ第一塔は最も有名な遺跡になります。
本体のストゥーパは円形のドーム状になっており、高さ16メートル、直径37メートルにもなります。
古代インドでは、神聖なものを信仰する時、そのものの周りに時計回り回るとされていたため、この円形の形を模していると言われています。
トラーナ
ストゥーパの周り4方向にはトラーナと呼ばれる、鳥居のような石像があります。これは現在の日本の鳥居の発祥ではという説もあります。
国名 / エリア | アジア / インド |
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登録年 | 1989年 |
登録基準 | 文化遺産 (i) (ii) (iii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト Buddhist Monuments at Sanchi(UNESCO) |