フランス北東部の都市ランス。この街に残るフランク王国の宗教史に深く関連する建築が、「ランスのノートル-ダム大聖堂、サン-レミ旧大修道院及びト宮殿」として世界遺産に登録されています。
ノートル‐ダム大聖堂は、496年にクローヴィスがフランク王国の国王として初めてキリスト教に改宗した後、歴代の王の戴冠式が行われた場所です。特筆すべきは13世紀に建てられた現大聖堂のゴシック建築技術と、その芸術性の高さです。正面入口の壁は無数の彫刻・彫像で装飾が施され、中でも「微笑みの天使」と呼ばれる彫像が有名です。採光に優れた内部は美しいステンドグラスや彫刻で彩られています。入口側の壁には上下にバラ窓が2つ連なり、壁面のレリーフも圧巻です。
サン‐レミ聖堂は、496年にクローヴィスの洗礼を行った大司教レミギウス(サン‐レミ)にささげられた教会で、彼の遺体が安置されています。フランス革命や第一次世界大戦を潜り抜けたロマネスク様式の本堂には、12~13世紀頃のものとされる美しいステンドグラスが残されています。ト宮殿は15世紀に建てられた司教の邸宅です。
これらの建築物は、その技術力や芸術性に加え、建築や彫刻の完成度の高さがその後のヨーロッパの建築に大きな影響を与えた点、またフランス王家の権力との宗教的な関係が深い点が評価されています。
国名 / エリア | フランス / ヨーロッパ |
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登録年 | 1991 |
登録基準 | 文化遺産 (i) (ii) (vi) |
備考 | Cathedral of Notre-Dame, Former Abbey of Saint-Rémi and Palace of Tau, Reims(UNESCO) |