「青城山と都江堰水利施設」は、中国四川省に位置する世界遺産で、1997年に登録されました。青城山は道教の聖地として古くから知られ、自然豊かな山岳景観と歴史的な宗教建築が調和した場所です。一方、都江堰は紀元前3世紀に築かれた世界最古の無堤防式水利灌漑施設であり、現在も実用されている点で技術史上非常に重要です。
青城山は、深い森に包まれた穏やかな山で、道教の哲学「自然との調和」を体現しており、多くの道教寺院や遺跡が点在しています。自然美と宗教文化が一体となった景観は、訪れる人に精神的な安らぎを与えます。
都江堰は、岷江の流れを巧みに制御し、成都平原の農地に豊富な水を供給するために建設されました。堤防を作らず、川の流れを自然の力で分流・調節する斬新な設計は、約2200年前の古代技術の粋を示すもので、今もなお灌漑と洪水防止に効果を発揮しています。
この二つの遺産は、自然と人間の共生や古代中国の技術と宗教思想を示す貴重な証拠であり、中国文明の深さと持続可能な発展の理念を伝えています。
「青城山と都江堰水利施設」は、自然美、宗教文化、そして卓越した古代技術が融合した世界的に価値ある文化・自然遺産であり、訪れる人々に歴史と自然の調和の大切さを教えてくれます。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2000 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト Mount Qingcheng and the Dujiangyan Irrigation System(UNESCO) |