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概要
ロロペニの遺跡は、西アフリカのブルキナファソという国の南部のボニ県に位置する世界遺産です。ブルキナファソのなかでも、ガーナとトーゴ、コートジボワールの国境に近い場所に、ロロペニという町があります。
この場所に11320㎡の遺跡群の範囲に、周囲100四方に囲まれた、高さ6mの石垣がいくつも残されています。おもに巨大な石の壁から構成されており、2009年にブルキナファソで初めての世界遺産として登録されました。
この地は、14世紀から17世紀にかけて金の抽出と精錬で栄えた地域で、当時、この地を支配していたローロン族かコーランゴ族がつくったと推定されています。
歴史
放射性炭素年代特定法により、石垣が作られたのは、少なくとも1000年近く前であることは確かですが、誰が何のために作ったのかは、まだわかっていません。
放射性炭素年代特定法とは、土器などについたわずかなススから建造された年代を特定する測定法です。特別な装置を使えば、1mgほどのサンプルでも年代がわかります。
かなり長い間、打ち棄てられ放置されていたために、その全容解明にはいまだ時間がかかります。おそらく当時、この地で行われていた金の採掘とその流通に関連した、住居や保管庫として使われていたのではないかと考えられています。
サハラ砂漠における金の流通は、14世紀から17世紀にかけて最盛期をむかえました。しかし19世紀にかけて衰退し、ロロペニの町も放棄されました。今後、何か研究で新しい発見が見つかれば、アフリカ史にも大きな影響がもたらされるといわれています。
世界遺産登録の経緯
ブルキナファソには、多くの人々により建設されたにもかかわらず、その建設目的がいまだわかっていない遺跡が数多く存在します。
石の壁に囲まれた砦のような集落跡が100か所程度残っており、黄金の流通がなされた西アフリカの遺跡群のなかでも、とくに保存状態はよい10か所が極めて保存状態が、2009年にブルキナファソで初めての世界遺産として登録されました。
必見ポイント
世界遺産のなかでも、謎につつまれた遺跡
ロロペニの遺跡を目にしたらまず、「なぜ一体、誰がこのようなものを建設したのか?」と誰もが疑問に思うはずです。
周囲100mを要塞のように囲んでいる石垣は、それぞれ高さが6mあります。わざわざ高い外壁が造られたのは、当時から金の採掘による利権争いが絶えなかったことから、それを守る目的であったと推測されています。
内側には、仕切りとして使われた内壁と、何かしらの建造物の痕跡や当時農耕具などはっきりとが残されている。石垣は赤色の風化土と、鉄やアルミニウムが含まれていているラテライトという石でできていいます。サバンナの中に、いくつもの石垣がある光景はまさに必見でしょう。
風化・劣化が著しい
熱帯地方に存在するため、とくにスコールにより、風化と劣化が止まっていない状態なので、早めに訪れておきたい場所です。
事実、ワールド・モニュメント・ウォッチ・リスト100選にも選ばれるなど、遺跡は崩壊の危機に瀕している状態です。このワールド・モニュメント・ウォッチ・リストは、世界の歴史的構造物や文化遺産の保存に取り組んでいる、ニューヨークに拠点を置く民間の非営利組織であるワールド・モニュメント財団が選定しています。
いまだ多くの謎に隠された遺跡なので、今後の研究も注目されます。