レブカの歴史的港町

Levuka Historical Port Town

レブカの歴史的港町の概要

レブカの歴史的港町は、太平洋のオセアニア地域に位置するフィジー共和国にある世界遺産です。フィジーには多くの島々がありますが、そのなかでも6番目に大きなオバラウ島の港町であるレブカの沿岸部に残る歴史的地区を総称して、「レブカの歴史的港町」といいます。

フィジーで最初に登録された世界遺産であり、さらに街並み全体として登録されたオセアニア地域初めての世界遺産でもあります。

世界遺産登録の経緯

レブカは、かつてフィジーの首都でもあり、現在でもいわば古都としての位置付けです。1820年代以降、ヨーロッパやアメリカからきた植民者たちが住み始め、以降は重要な貿易の拠点として発展しました。

コロニアル・スタイルといわれる、17〜18世紀にかけてのヨーロッパ本国の様式を模倣し、植民地向けに実用化させた建築様式で建てられた、役所や税関、教会、商業施設が存在し、オセアニア地域の19世紀植民地都市としての独特の発展風景が、現在でも色濃く残ります。

このようにレブカの歴史的港町は、その地元の伝統とヨーロッパ本国の植民地制度の融合した姿や、19世紀のヨーロッパがそろって世界へ進出していった時代の歴史的背景がその街並みに残っていることから、2013年に文化遺産として世界遺産に登録されました。

歴史

レブカは、浜辺に面したココナッツとマンゴーに囲まれた港町で、さらに高い建物があまりなく、低い建物が立ち並んでいるのが特徴です。

もともとは、フィジーが1874年にイギリスに割譲されたときの最初の首都が、このレブカに置かれました。その後、19世紀はじめに、アメリカやヨーロッパ各国との貿易拠点として本格的に開拓されはじめます。

開拓者たちは、先住民が住んでいた村落の周辺に、倉庫や店舗、港湾・宗教・教育・公共施設や住宅を建設していきました。しかしそれでも、レブカには先住民の人々が多く住んでいたため、先住民たちのさまざまな影響を受けながら、街が発展していきました。

このような形態で町が発展していった例は、他では見られない、かなり珍しいことです。そのため、レブカの街並みは、太平洋における優れた湾岸植民地都市であるとともに、独特の景観が作り出されているのです。

必見ポイント

セイクレッド・ハート教会

レブカの歴史的港町
Photo by Kai Johnson, on Flickr

高い建物がなく、低い建物が多く立ち並ぶレブカでも、ひときわ目立つ建物が、このセイクレッド・ハート教会です。1866年に建造されました。歴史を感じる石造りの時計台が、とくに注目すべきポイントでしょう。

セイクレッド・ハート教会
Photo by Johannes Zielcke, on Flickr

メインストリート

レブカの歴史的港町
Photo by Kai Johnson, on Flickr

レブカのメインストリートとは、普通の街のメインストリートとは比べものにもならないほど魅力的なところです。セイクレッド・ハート教会も、この通りに位置します。ほかにも、1890年代ごろに建てられた歴史的建造物が複数あります。

ロイヤル・ホテル

メインストリートから1本、奥にはいると存在するのが、1870年ごろに建てられたレブカでももっとも有名で歴史がある、この「ロイヤル・ホテル」です。

内装は、木目をいかした調度品やカウンターなど、イギリス領時代の名残がうかがえます。 ここも、れっきとした世界遺産の構成資産のひとつです。

レブカ・パブリック・スクール

ロイヤル・ホテルの近くには、1879年に開校したフィジーで初めてのパブリック・スクール(私立学校)があります。今でも現地の子どもたちが通っています。


国名 / エリア オセアニア / フィジー
登録年 2013年
登録基準 文化遺産 (ii) (iv)
備考 ■関連サイト
Levuka Historical Port Town(UNESCO)

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