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百舌鳥・古市古墳群の概要
百舌鳥・古市古墳群は大阪府に点在する古墳群の総称で、2019年に登録された世界文化遺産です。古墳最盛期である4~5世紀ごろにつくられました。
この地域には89もの古墳が残されていますが、そのうち構成資産となっているのは、百舌鳥古墳群の23基と古市古墳群の26基の計49基。最大のものは全長500m近く、最小のものは20mほどと、大小さまざまです。
これらの古墳群は大阪府の3市、堺市、羽曳野市、藤井寺市に点在しています。
特徴
百舌鳥古墳群と古市古墳群は4世紀後半から5世紀後半にかけてつくられた古代王たちの墳墓です。この2ヵ所の古墳群は日本最大級の古墳があることに加え、前方後円墳・帆立貝形墳・円墳・方墳という日本各地に見られる古墳の標準形式の4種を含んでいるのが特徴。
大きさは大小さまざま、墳墓の規模と形により権力を象徴しました。これは当時の古代王権の形成・発展を十分に物語るものとなっています。また、古墳は葺石と埴輪で装飾され、葬送儀礼の舞台としてのデザインも担っていました。
世界遺産登録の経緯
古墳群が、西で勢力を伸ばしていたヤマト政権の権力社会、当時の歴史、そして埋葬の文化を十分に証明しているとともに、顕著な普遍的価値を証明しているものであるということが評価されました。さらに、古墳群の顕著な普遍的価値と重要性を示す要素(埴輪、古墳の形状、管理体制)が現代まで損なわれることがなく保たれていたことも登録された理由の一つです。
世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群は恒久的に保護される必要があり、国、市、周辺住民の協力により古墳の状態が保たれています。
構成資産と必見ポイント
百舌鳥古墳群
仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)
仁徳天皇陵古墳は、クフ王のピラミッド、秦始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓の1つ。墳丘の長さは約500m、古墳の全長は840mもある、日本最大の墳墓です。 古墳の周りは1周2.8km で歩くと1時間かかります。
古墳の中には入ることができませんが、古墳の規模を知ることができる場所は周辺にいくつかあります。そのうちの1つが堺市役所です。市役所の21階にある展望台ロビーは無料で入ることができ、窓からは仁徳天皇陵古墳を見ることができます。
また、仁徳天皇陵古墳へ行くなら一緒に訪れたい場所は、堺市博物館です。堺市博物館では、古墳時代からの堺の歴史を模型、鉄製品、鉄砲や火縄銃などの展示物から学べます。また、VRの疑似体験を通して、百舌鳥古墳群を空から360度の景観で鑑賞できます。
履中天皇陵古墳(ミサンザイ古墳)
17代天皇、履中天皇の墳墓で、5世紀前半に造られました。全長は約365mと日本では3番目に大きい古墳です。周りには2重の周濠が、西側のくびれ部分は祭祀を行うための「造出し」 が確認されています。履中天皇陵古墳の北側にはビュースポットがあり、古墳の規模を間近に見ることができます。
ニサンザイ古墳
5世紀後半頃に造られたニサンザイ古墳は、左右対称で崩れがないため、日本で1番美しい古墳であるとされています。履中天皇陵古墳同様、西側のくびれ部分には造出しがあるほか、葺石と埴輪も確認されています。古墳の周りの遊歩道からは、水面に映る古墳を見ることができ、夕日が映るとより一層古墳が美しく見えます。
古市古墳群
古室山古墳
古室山古墳は4世紀末から5世紀初めにかけて造られた古墳で、全長は150mあります。後円部頂上の標高は約39mで、頂上まで歩いて行けるのが魅力です。季節によりタンポポや桜も見られ、多くの方が訪れます。墳丘の斜面には石敷きが、平坦面には円筒埴輪の列があり、その他、家・衣蓋・盾・靫・冑形などの形象埴輪も同古墳で確認されています。
応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)
応神天皇陵古墳は第15代天皇であった応神天皇の古墳で、百舌鳥・古市古墳群の中では2番目に大きく、全長は約425mあります。古墳の体積は仁徳天皇陵古墳よりも大きく、日本で1番です。墳丘のまわりは2重の周濠で、円筒埴輪や形象埴輪が確認されています。近隣の羽曳野市文化財展示室では、古市古墳群から出土した、埴輪を中心とした遺物を見学できます
国名 / エリア | アジア / 日本 |
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登録年 | 2019年 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Mozu-Furuichi Kofun Group: Mounded Tombs of Ancient Japan(UNESCO) |