イビサ、生物多様性と文化

Ibiza, Biodiversity and Culture

イビザ

イビサ島はスペイン東部、地中海のバイアレス諸島に位置しています。最初にフェニキア人が入植した紀元前654年以降、島はローマ帝国、ビサンティン帝国、イスラム、アラゴン王国など、時代とともにさまざまな支配者により形づくられてきました。当初フェニキア人が開拓し港を築いたのは、約2000年にわたってイビサの中心となっている旧市街のダルト・ヴィラ周辺と考えられています。ここにはフェニキア人の入植からルネサンスの要塞に至るまで、各時代につくられた城壁の痕跡が、互いを破壊することなく都市の構造にそれぞれ顕著に残されています。なかでも16世紀の城壁は、ルネサンスの軍事建築とエンジニアリング技術が織りなした建築美の好例です。また、サ・カレタに残されたフェニキア人の集落跡や、死者を祀る葬祭場として機能したプッチ・デス・モリンスは、西地中海のフェニキア人の都市文化と社会生活を証明する貴重な遺跡です。

イビサ島の海には地中海の特定地域でのみ見られる固有の海洋植物ポセドニアが生育し、多様な海洋生物の生息を支えるとともに、島の美しい海岸線を創り出してきました。また、島の周辺にはモンクアザラシなど絶滅の危機に瀕する動物のほか、200種を超える鳥類が生息し、生物多様性にも優れた場所として評価されています。

このような文化と自然両面の価値が評価され、1999年に複合遺産「イビサ、生物多様性と文化」として世界遺産に登録されました。

国名 / エリア スペイン / ヨーロッパ
登録年 1999
登録基準 複合遺産 (ii) (iii) (iv) (ix) (x)
備考 Ibiza, Biodiversity and Culture(UNESCO)

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