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概要
カンペチェは、メキシコの都市カンペチェ州にあり、ユカタン半島西部に位置しカンペチェ湾に面しています。1540年、スペイン人の征服者コンキスタドールによって「カンペチェ」の名でマヤ人の都市の上に建設されました。
スペイン植民地時代に海賊などから身を守るために造られた城壁や要塞、軍事施設が保存状態もよく、建築としての評価も高いことから、歴史的城塞都市カンペチェは、1999年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
歴史的城塞都市カンペチェは、スペインが中南米に建設した最初の植民都市です。スペインが入植する以前はマヤ人の都市がありましたが、その痕跡はほぼ残されていません。カンペチェにスペインが入植し、18世紀に開港した後、スペイン人は主に染料採取用木材や塩などを本国スペインへ送り、アフリカからは奴隷を輸入するなどユカタン半島の交易を独占しました。
カンペチェでは輸出入の交易が栄えましたが、カリブ海の海賊からの襲撃が多くありました。長期間にわたり攻撃を受け続けたため、スペイン人は街を守るために1686年から防衛力をあげることにし、その後18年の歳月をかけて城壁、大要塞を建築、要塞都市へと変化していったのです。
市街地を囲む不規則な六角形の市壁は長さ2,560mに及び、それぞれの角には防衛上の拠点が置かれました。周囲の海岸線には要塞を築き、ソレダー要塞、サルカルロス要塞、サンフランシスコ要塞、サンファン要塞などは、今でも当時の姿を残しています。
スペイン人達は城壁の中に住み、先住民はその周辺地区で暮らしており、先住民たちが暮らした地域には当時の聖堂群も残されています。
19世紀半ばには、より大規模な港湾施設がカンペチェの近くに造られたことにより、交易は次第に衰退していきました。
歴史的城塞都市カンペチェには、建築や技術、都市計画に関して人類の価値の重要な交流の跡を残しています。また、歴史上重要な時代を証明する建築様式や建物群などがあり、その存在が素晴らしいことから、1999年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
カンペチェ大聖堂
カンペチェ市街中心部に位置し、16世紀から18世紀にかけて建設された大聖堂で、インデペンデシア公園に面して建ち、街のランドマークになっています。バロック様式と新古典主義様式が混在し、2つの鐘楼があります。夜はライトアップが楽しめます。
ラソレダー砦
ラソレダー砦は、1690年から1692年の間に建設された砦で、砦内にはマヤ建築博物館があります。マヤ遺跡の建築様式が展示されています。
サン・ミゲル要塞
サン・ミゲル要塞はカンペチェ旧市街の西の丘に位置し、現在ではマヤ考古学博物館としてスペイン人が入植する以前、マヤ時代の土器類や土偶、彫刻、翡翠の仮面などが展示されています。かつての王様のミイラや副葬品など、珍しい展示物がある他、丘の上からは素晴らしい景色を眺めることができます。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / メキシコ |
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登録年 | 1999 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Historic Fortified Town of Campeche(UNESCO) |