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アマルフィ海岸の概要
アマルフィ海岸は、イタリア南部のソレント半島南岸から都市アマルフィを経て、サレルノ湾に至るまでの約30㎞に渡る海岸線です。紺碧の海と太陽が降り注ぐ白い街並み、オリーブやレモン畑などの地中海的な光景をもち「世界で最も美しい海岸線のひとつ」と言われます。イスラム圏との活発な交流を経て独創的な文化をもち、その景色と共に評価され1997年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
アマルフィ海岸はイタリア南部の海岸線で、アマルフィ海岸の中心にある都市がアマルフィです。
アマルフィは39年に独立し共和国になり、背後の断崖絶壁を砦として840年頃からすでに15の街が建設されていました。10~11世紀にはベネチアやジェノヴァと同じように海運都市国家として栄え、地中海運行のための羅針盤が世界で初めて使用された他、製紙技術もイタリアでは最も早くから伝わりました。
最盛期である11世紀には人口も7万人以上にまでなったのですが、その後災害の影響等で衰退していきました。
19世紀ナポレオンの征服後は道路が整備されたため大陸とつながりましたが、ヨーロッパやビザンツ、イスラムの様々な文化を取り入れた建築物や芸術作品等独自の美しさをもつ文化は守られ、現在では高級リゾート地として多くの人に愛されています。
アマルフィの美しさは、名前の由来がギリシャ神話に語られるほどです。愛する妖精を亡くした英雄ヘラクレスは、その亡骸を葬る美しい場所を探し、世界で最も美しいアマルフィに葬ることに。その後街は切り拓かれ、ヘラクレスは妖精の名前を街の名前につけたと言われます。青いエメラルド色の海には、今でもヘラクレスに愛された妖精の姿が見えるようです。
アマルフィ海岸は、建築・技術が発展する中での人類の交流や、人類の歴史上重要な時代を示す建築様式や景観が含まれます。また、人類の変化の中で存続が難しくなっている、土地が持つ独特の景観や文化をもつことを評価され、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
アマルフィ大聖堂
アマルフィ大聖堂は、9世紀に教会として建てられたことに始まり、10世紀には教会南側に2つ目の教会が造られて、今の大聖堂となりました。12世紀までは2つの教会はロマネスク教会として機能しましたが、13世紀には一つの教会へと改築され、ゴシック、ルネッサンス、バロック、アラブ・ノルマン様式等を取り入れた五廊式の聖堂となりました。
隣接する天国の回廊は、当時は上流階級市民の墓地として造られたもの。見事なアラブ・ノルマン様式で建設されており神秘的な雰囲気を醸し出します。
地下祭壇クリプタは内部がバロック様式で造られ、豪華絢爛な装飾が施されています。アマルフィの守護聖人である聖アンドリューを祀っており、その遺骨は1206年の第4回十字軍の際にコンスタンチノーブルからアマルフィに運ばれたものでした。大聖堂は街の中心に位置していることからも、今でも街のランドマーク的な存在であり続けています。
国名 / エリア | イタリア / ヨーロッパ |
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登録年 | 1997 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) (v) |
備考 | ■関連サイト Costiera Amalfitana(UNESCO) |