Table of Contents
概要
イタリア南部のシチリア島カターニア近郊に位置している標高3,323mの山で、広さは頂上周囲19,237haあります。地中海にある島々の中で最も高く、アルプス山脈を除いてイタリアの中で最も高い山。世界で最も活発に活動している成層火山の一つであり、現在も噴火を繰り返しています。
火山噴火の歴史は古く50万年前に活動を開始したと言われています。ほぼ継続的に噴火活動が続いているエトナ山は、地球科学や火山学などの分野に重要な動植物が存在しており、調査や研究に重要な場所となっています。これらの理由により2013年に世界自然遺産に登録されました。
歴史
エトナ山の火山噴火は50万年前から始まりました。噴火活動が開始された当時は海底火山であったと考えられています。エトナ山はギリシャ神話に登場するほど長い歴史があります。諸説ありますが一説として、ギリシャ神話に登場した最強の怪物と呼ばれた「テュフォン」とギリシャ神話の最高の神である「ゼウス」の戦いで、ゼウスが雷霆でテュフォンを打ち、その上にエトナ山を投げつけてその下に封じ込め、テュフォンがエトナ山を貫くほどの火を吐き続けている、という説があります。
紀元前693年に最初の噴火に関する記録が文書に残されたとされており、それ以来約140回以上もの噴火を繰り返しています。最古の記録は、紀元前122年に太陽が見えなくなるほどの噴火が数日間続いたというものがあります。
歴史に残る大噴火の一つは1169年に起こったもので、16,000人の死者が出たとされています。記録上最も大きな被害をもたらしたとされる噴火は、1669年に起こった噴火で、複数の噴火口から4ヶ月間もの間溶岩が流れ続け、近郊の街カターニア市とニコロシ村をも飲み込み10,000人もの死者を出したと記録されています。
見どころ
エトナ公園
エトナ山は、標高2,920mの噴火口区域まで立ち入ることができ、1987年からエトナ公園となっています。バスやロープウェーで登ることができ、火山活動の痕跡や溶岩の荒野を間近で楽しむことができる観光スポットです。エトナ山はトレッキングやスキーなども楽しめます。
近郊の街カターニア
カターニアはシチリア島で二番目の大都市です。1669年に起こったエトナ山の大噴火とそれに続いて起こったヴァル・ディ・ノート大地震によって壊滅的な被害を受けました。その後、18世紀に後期バロック様式で多くの建物を再建して復興。これらのバロック様式建築が「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」として2002年に世界文化遺産に登録されました。
デゥオモやサン・ニコロ修道院、サン・ニコロ教会、サンタガタ・アラ・カルチェレ教会などの建物はもちろん、繁華街であるエトネア通りや地元の人々の生活にも触れることのできる市場も見どころです。
タオルミーナ
高級リゾート地としてシチリアの中でも有名な観光地であるタオルミーナですが、古い歴史があります。有名なギリシャ劇場(テアトログレコ)はギリシャ人によって紀元前3世紀に作られ、現在も野外劇場として利用されています。劇場からエトナ山を望むことが出来、文豪ゲーテが「世界一美しい景色」と絶賛した場所でもあります。
他にもタオルミーナ城塞やマドンナ・デッラ・ロッカ教会、4月9日広場、ウンベルト1世通りなど見どころが満載の町です。