「メロイ島の古代遺跡群」は、スーダン中部ナイル沿いの半砂漠地帯に位置し、紀元前8世紀から紀元4世紀にかけてクシュ王国の中心として繁栄しました。この地に残る建造物や装飾には、エジプトや地中海世界、中東とサハラ以南アフリカの文化が混ざり合った痕跡が刻まれ、古代の思想や技術が広範囲で往来した歴史を物語っています。
多様な建物群に加え、陶器・鉄器などの生産跡も残り、この王国が強大な富と国際的な影響力をもっていたことが読み取れます。とくにメロイに林立するピラミッドは、クシュ独自の葬送建築を代表するもので、エジプト・ギリシア・ローマの要素と在地の伝統が融合した特徴的な意匠が残り、建築技術の発展を示す優れた例です。また、ナイルから離れた地域に大規模な宗教や都市施設が築かれた事実は、厳しい自然環境に適応しながら水資源を管理し、砂漠と共存した人々の知恵を考える重要な手がかりとなっています。
| 国名 / エリア | アフリカ / スーダン |
|---|---|
| 登録年 | 2011 |
| 登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) (iv) (v) |
| 備考 | ■関連サイト Archaeological Sites of the Island of Meroe(UNESCO) |
