中国南西部、雲南省の景邁山に広がる「普洱の景邁山古茶林の文化的景観」は、プーラン族とタイ族の人々が千年以上にわたって築き上げてきた伝統的な茶の栽培文化を今に伝えています。
10世紀以来、彼らは山岳の生態系と亜熱帯モンスーン気候に適応した林床茶栽培を行い、自然と共生する土地利用システムを発展させてきました。茶樹や動植物に宿る精霊を敬う「茶祖信仰」を基盤とし、部族・行政・宗教が連携する独自の統治体制によって、自然資源と文化を守り続けています。こうした伝統的な知識と実践は、地域の生態系を保ちながら人々の暮らしを支える持続的な仕組みを生み出しており、近代化や環境変化の中でも受け継がれてきました。景邁山の茶林は、人と自然が長い時間をかけて築いた調和の象徴であり、持続可能な農業と文化の共存を示す優れた例として評価されています。
| 国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録年 | 2023 |
| 登録基準 | 文化遺産 (iii) (v) |
| 備考 | ■関連サイト Cultural Landscape of Old Tea Forests of the Jingmai Mountain in Pu’er(UNESCO) |
