「ハンバーストーンとサンタ・ラウラ硝石工場群」は、チリ北部パンパ砂漠に残る産業遺産で、19~20世紀にかけて稼働した200以上の硝石工場群の中でも特に保存状態が良いものです。1880年頃から60年以上にわたり、チリ、ペルー、ボリビアなどの労働者が過酷な砂漠環境で働き、硝石を加工して硝酸ナトリウムを生産しました。この肥料はヨーロッパやアメリカの農地改良に貢献し、チリに莫大な利益をもたらしました。
労働者たちは企業街で生活し、パンピーノスと呼ばれる独自の共同体文化を形成しました。多様な言語や創造性、連帯感、さらには社会的公正を求める運動を生み出し、チリの労働史にも大きな影響を与えました。両施設には工場設備、住宅、広場、鉄道跡などが残り、当時の技術と社会構造を伝える貴重な証となっています。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / チリ |
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登録年 | 2005 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) (iv) |
備考 | Humberstone and Santa Laura Saltpeter Works(UNESCO) |