「カンペチェ州、カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林」は、メキシコ南東部ユカタン半島の中央から南部、グアテマラやベリーズとの国境近くに位置しています。約33万ヘクタールに及ぶこの地域は、中南米でアマゾンに次ぐ広大な熱帯雨林に覆われており、古代マヤ文明の重要な中心地として栄えました。
この地は紀元前500年から1000年頃にかけて発展し、強大なカーン王朝の都として政治・文化の中心的役割を果たしました。巨大な寺院ピラミッドや王族の墓、ヒエログリフが刻まれた石碑、アドベ建築、道路、貯水設備など、多様な遺構が良好に保存されており、当時の高度な建築技術や社会構造、宗教儀礼、広範な交易ネットワークの存在を示しています。また、多様な建築様式や美術表現はマヤ文化の独自性と発展を物語っています。自然環境では、古代マヤ人の森林管理技術が反映された成熟した熱帯雨林が残り、多くの絶滅危惧種やジャガー、サルなどの大型哺乳類が生息しています。水資源の保全や気候変動に強い生態系としての価値も高く、生態系研究や保護活動が続けられています。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / メキシコ |
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登録年 | 2002 |
登録基準 | 複合遺産 (i) (ii) (iii) (iv) (vi) (x) |
備考 | ■関連サイト Ancient Maya City and Protected Tropical Forests of Calakmul, Campeche(UNESCO) |