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トゥルネーのノートル-ダム大聖堂の概要
フランスの国境に近いベルギー西部の街トゥルネー。人口約7万人の小さな都市ですが、中世の雰囲気が漂う、ベルギー最古の街として知られています。その中心にそびえ立つ、ノートルダム大聖堂は、全長約134m、翼廊の幅約66m、高さが約83mもあります。
5つの塔が美しくそびえ、ロマネスク様式とゴシック様式が混合しているのが特徴です。ベルギーの中でも重要な建造物の一つであるトゥルネーのノートルダム大聖堂は、2000年に世界文化遺産に登録されました。
残念ながら、1999年に竜巻の直撃によって外壁や屋根などが大きな被害を受けてしまったため、現在もなお、大規模な修復作業が行われています。再び完成されるのは2030年の予定。
世界遺産登録の経緯
ノートルダム(Notre-dame)とは、フランス語で「我らが貴婦人」の意味で、キリスト教における聖母マリアのことです。当時、街の繁栄のため、この名を持つ聖堂がフランス語圏の各都市で建設されました。
トゥルネーのノートルダム大聖堂は1130年にロマネスク様式で建設が始まり、1213年に完成。
しかし、1243年にゴシック様式で改築されます。フランスにあるアミアンのノートルダム大聖堂の影響を受け、当時、流行していたゴシック様式を、他地域に先駆けて取り入れようとしためでした。
内部それぞれに重厚感がある厚い壁と3層に連なるアーチはロマネスク様式の特徴を残したもの。繊細なデザインが施された6つの尖塔、薄い壁とステンドグラスはゴシック様式が採用されたものです。
一見正反対とも言えるこの2つの様式の特徴が、見事に調和しており、西洋建築の美しさが集約されています。1つの聖堂に2つの様式が存在する大聖堂は大変貴重です。
現在でもほぼ当時と変わらない美しい景観と、歴代の時代を反映させる建築様式と技術が高く評価され、2000年に世界文化遺産に登録されました。
必見ポイント
ステンドグラス
ゴシック様式では、天井の重さを柱へバランスよく伝えることが可能になり、重厚感のある壁は必要がなくなりました。そのため、吹き抜けた空間にステンドグラスが作られました。光が差し込まれると色鮮やかで、とても美しいです。
聖母マリアの聖遺物箱
ここにはキリスト教にまつわるベルギーの7大秘宝の1つ「聖母マリアの聖遺物箱」が収められています。13世紀にニコラ・ドゥ・ヴェルダンによって作られたもので、金銀や宝石で飾られ、キリストの生涯や模様が繊細に彫られています。
普段は展示されていますが、建国記念日などの特別な日には、遺物箱が街に担ぎ出されて、市民や観光客に披露されることがあります。
その他の見どころ
その他にも屋内外の随所に見どころがあります。
ベルギーと言えばタペストリーも有名ですが、大聖堂の成り立ちと歴史を描いた全長22mの巨大なタペストリーも飾られています。
ポーチの繊細な装飾
アーチが続く屋内
パイプオルガン
内陣仕切り
国名 / エリア | ベルギー / ヨーロッパ |
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登録年 | 2000年 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Notre-Dame Cathedral in Tournai(UNESCO) |