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東大寺の概要
東大寺は世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産の一つです。「奈良の大仏」として有名な「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」を含め、世界最大級の木造建築物「大仏殿」など、全部で23の仏像、建築物が国宝に指定されており、他にも多くの重要文化財を有しています。
東大寺へのアクセスの一例として、JR奈良駅で市内バスに乗り、「東大寺大仏殿・春日大社前」で下車すれば徒歩5分で到着します。駐車場もあるので車で参拝に行くことも可能です。また、東大寺ではスポットや年間行事によって、所願成就や無病息災などのご神徳があります。
東大寺の歴史
奈良時代は華やかな時代として栄えましたが、大地震、凶作、飢餓などによって人々が苦しむ悲惨な時代でもありました。741年、聖武天皇は仏教の力で世を救うために「国分・国分尼寺建立の詔」を発しました。この時国分寺となった寺院の一つが、学問寺へと発展し、後に東大寺となります。
聖武天皇は、人々が思いやりの心で繋がり助け合い、自然・動物と共に生き、希望を次世代へ託せる世の中を願っていました。聖武天皇が「盧舎那大仏造立の詔」を発し、同時に国民に対して援助を求めた時、多くの協力者が出たそうです。その結果、政府の力だけでなく、国民の助力によって大仏は完成、他にも巨大な建造物群が多く建設されました。
東大寺の造営は絶え間なく続きますが、大地震による倒壊や戦による焼失を繰り返します。現在の東大寺は、主に江戸時代に再興されたものです。近年でも多くの人々の協力のもと修理が進んでおり、この思いやりの精神は奈良時代から現在まで受け継がれています。
東大寺の見どころ
大迫力の南大門
南大門は国内でも最大の大きさを誇る山門です。屋根裏まで続く18本の大円柱は21 mもあり、門全体の高さは25.46 mに及びます。現在の門は鎌倉時代に再建された貴重な遺構であり、国宝に指定されています。門内には一般の仁王像と左右が逆に配置された木造金剛力士像があり、これらも国宝に指定されています。二体の金剛力士像は、たったの70日間ほどで製作されたことで知られています。
「奈良の大仏」が収められた金堂(大仏殿)
東大寺の金堂(大仏殿)は世界最大の木造建築物であり盧舎那仏(るしゃなぶつ)が安置されているため、見逃せない必見スポットです。現在でもその姿は壮大ですが、江戸時代の再興時には必要な長さの木材を調達できず、創建当時の3分の2の大きさに縮小されました。つまり、創建時の大仏殿は現在よりもさらに大きな建築物だったということです。
大仏殿内の支柱の一つに「招福の柱」と呼ばれる穴の開いた柱があります。この穴の大きさは盧舎那仏の鼻の大きさと同じであり、穴を通り抜けることができたら「邪気が払われて幸せになる」、「願いが叶う」とされ、人気スポットになっています。
盧舎那仏という名は、ひかり輝く(世界を照らす)仏という意味を表しています。右手に慈悲、左手で宇宙の智慧(ちえ)を示し、人々が絆を深めて思いやりの心で繋がることを願っています。この大仏を見るために、世界中から多くの観光客が訪れています。
二月堂の「お水取り(修二会)」
東大寺では年間を通して多くの行事が催されています。中でも二月堂で行われる通称「お水取り」と呼ばれる「修二会」は、1250年以上続けられてきた鎮護国家、天下泰平など人々の幸福を願う行事です。夜になると直径1 mに及ぶ巨大な松明(たいまつ)が用いられ、この松明の火の粉を浴びることで、無病息災で1年間を過ごすことができると言われており、多くの参拝者が訪れます。
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