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プレア・ヴィヘア寺院とは
カンボジアにあるプレアヴィヒア寺院は、9世紀末にクメール王朝のヤショヴァルマン1世が創建し、約300年に渡って増築されてきました。プレアヴィヒアにはクメール語で「神聖な寺院」という意味があり、自然の地形と融和するように巧みに築かれています。
2008年に世界遺産に登録されましたが、カンボジアとタイの国境上にあるため領有権争いが勃発。軍事衝突にまで発展しました。2011年に国際司法裁判所が非武装地帯を取り決め、観光ができるまで落ち着き取り戻すことができたという歴史があります。
しかし現在でも国境警備兵が治安に当たる緊張地帯であることには間違いありません。整備された地区以外に入らないなど、安全には十分注意が必要です。
特徴
「天空の寺院」と呼ばれるプレアヴィヒア寺院はダンレク山地の地形を利用して造られました。入口から頂上にある中央祠堂までは石畳の参道と階段で南北に一直線で結ばれています。
クメール建築の代表そしてヒンドゥー教の聖地として、保存状態の良い精密なレリーフを現在に伝えています。途中にある5つの塔門をくぐらないとその先が見えない構造になっており、塔門をくぐる度に異なった風景が目の前に開けるので、ヒンドゥー教の世界観を深く感じることができます。
寺院の第一塔門は旧2000リエル札に描かれていて、カンボジアの人たちにとっても特別でなじみの深い世界遺産といえるでしょう。
見どころ
中央祠堂からの絶景
標高657メートルの高さにある中央祠堂のすぐ後ろは断崖絶壁となっていて、遠くまで続く雄大なカンボジアのジャングルを360度見渡せる絶景が広がっています。
第二塔門
プレアヴィヒア寺院の特徴の一つは、アンコールワットよりも古い時代に建立されているにも関わらず、レリーフが当時の状態を保っていることです。
特に2番目の塔門にある「乳海攪拌」のレリーフは、ヒンドゥー教の天地創世神話「ラーマヤーナ」の有名な一節が刻まれており、精巧な装飾を見ることができます。
第三塔門
プレアヴィヒア寺院の建造物のなかで一番大きなものが第三塔門です。 翼のように左右に伸びる形状が特徴的で、クリシュナとガルーダに乗るヴィシュヌ神など、ヒンドゥー教の神話や故事にまつわる神々を象ったレリーフがあり、クメール文化の技術力の高さと感じることができます。
国名 / エリア | アジア / カンボジア |
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登録年 | 2008 |
登録基準 | 文化遺産 (i) |
備考 | ■関連サイト Temple of Preah Vihear(UNESCO) |