イエメン東部ハドラマウト地方に位置する「シバームの旧城塞都市」は、16世紀に形成された計画都市。高さ7階建てに及ぶ泥レンガ造の塔状家屋群が特徴的で、「砂漠のマンハッタン」とも称されます。
香辛料・香料の交易路の要衝に築かれたこの都市は、格子状に整備された街路と広場に沿って高層家屋が密集し、豪族間の防御と威信を象徴する都市構造の典型とされています。洪水により氾濫する土地に垂直にそびえ立つ壮観な景観や機能的設計、泥を用いた独自の建築技術は、アラブ・イスラーム文化の伝統を今に伝える貴重な証しです。さらに、周囲には氾濫農耕を基盤とする持続的な土地利用が受け継がれ、農業・建築・都市生活が一体となった独自の社会システムを示しています。
国名 / エリア | アジア / イエメン |
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登録年 | 1982年 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) (v) |
備考 | 危機遺産 ■関連サイト Old Walled City of Shibam(UNESCO) |