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概要
スカン・グアイはカナダ西部のブリティッシュコロンビア州西部クイーンシャーロット諸島内グアイ・ハアナス国立公園の最南端にあります。現在は無人島ですが、かつては先住民のハイダ族が暮らしていました。
ここにはハイダ族の芸術と集落跡やトーテムポールなどがあり、興味深いハイダ族の歴史や文化が学べます。歴史的に重要度が高いとして1981年にユネスコ世界遺産に登録されました。スカン・グアイはアンソニー島のハイダ名、ニンスティンツはスカン・グアイの英語名です。
歴史
ハイダ族のいた集落の場所は最後の村長の名前「ナンスディンス(ニンスティンツ)」で知られています。
ハイダ族は5000年前にすでにこの島で生活しており、主に漁労を生業としていました。かつては1万人近くしたハイダ族は、19世紀になると白人との接触が原因の伝染病(天然痘)などで人口が激減します。1983年には1400人程度にまで減少し、その後はこの島を離れてしまいました。
ハイダ族の人々はこのスカン・グアイが世界遺産に登録される際「自然のままであること、自然の摂理に従うこと」を要望しています。そのため一般の世界遺産とは逆に、意図的に修復や復元などが行われない「朽ちていく世界遺産」となりました。
トーテムポール
スカン・グアイはグアイ・ハアナス国立公園にありますが、環境保護のため年間の入園者数を制限しています。また、ハイダ族の文化や精神を損なうことがないように、各種の注意事項の厳守もあります。そのため、スカン・グアイを見学するにはオリエンテーションの参加が義務付けられました。
現在、スカン・グアイには、ハイダ族の住居跡、貝塚、生活痕跡を残す洞窟、墓地などが遺跡として残っていますが、巨大なトーテムポール群は必見です。トーテムポールはお墓として、またお祭りの記念として作成していました。10mあまりもある32本のトーテムポールは、シャチや伝説上の鳥であるサンダーバード、人間、神話などの彫刻が施されておりハイダ族の文化を知ることのできる貴重なものです。
このトーテムポールも朽ちていくまま、自然のままの姿ですので、この先どのくらいの間見学できるのかわかりません。今を逃すと永遠に失われてしまうので是非足を運んでください。