世界遺産「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、エジプト南部からスーダンにかけて広がるヌビア地方に位置し、古代エジプト文明とヌビア文化の融合を伝える貴重な遺産群です。1979年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
この遺跡群には、ラムセス2世が築いた巨大なアブ・シンベル神殿をはじめ、その妻ネフェルタリのための小神殿、女神イシスを祀るフィラエ神殿などが含まれます。これらの神殿は、アスワン・ハイ・ダムの建設によってナセル湖に沈む運命にありましたが、ユネスコ主導の国際的な救済活動により、1960年代に解体・移設され、現在の場所に再建されました。
巨大な岩をくり抜いて造られたアブ・シンベル神殿は、その精緻な彫刻と天文学的な配置によって知られ、太陽の光が年2回、神殿奥の像を照らす現象は今も多くの人々を魅了しています。フィラエ神殿は、古代エジプト宗教の最後の拠点とされ、その美しい列柱廊と神秘的な雰囲気が訪れる者を惹きつけます。
これらの遺跡は、古代エジプトの宗教的・文化的な広がりを物語ると同時に、文化財保護の国際協力の象徴ともなっています。
| 国名 / エリア | アフリカ / エジプト |
|---|---|
| 登録年 | 1979年 |
| 登録基準 | 文化遺産 (i) (iii) (vi) |
| 備考 | ■関連サイト Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae(UNESCO) |
