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モレリア歴史地区の概要
モレリア歴史地区は、メキシコ中部に位置するミチョアカン州の州都モレリアにある旧市街地です。スペイン植民地時代の面影が残る旧市街地です。
メキシコは、1521年にアステカ帝国を征服したスペインにより、300年にわたる支配を受けました。
モレリアはその植民都市バリャドリードとして建設され、農産物取引などの交易や、政治、交通の要となり、メキシコの代表的な植民都市となりました。バリャドリードは都市計画のもと、中央広場を中心に碁盤目状に道路が巡らされ、宗教や文化の中核として発展し、1828年、メキシコ独立運動を指揮した英雄モレロスによってモレリアと改称されました。
モレリア歴史地区は、1991年ユネスコにより世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
モレリア歴史地区には、200以上の建造物が今も残され、街の中心には先住民を労働力として建てられた、モレリア大聖堂がそびえ立っています。アメリカ大陸で2番目に建てられたサン・ニコラス神学校(現:ミチョアカン州立大学)や旧総督邸、多くのアーチをもつ石造りの水道橋など、壮麗なコロニアル文化と、先住民族タラスコ族の文化が融合した景色は、スペイン植民地時代の貴重な面影を今も残しています。
モレリア歴史地区には、地域特産の、溶岩からつくられたピンク色の石が使われた建造物や、独特の町並みがあり、ルネサンスやバロック、新古典主義の要素を含み、中世の精神性も色濃く表しています。
モレリア歴史地区は、1991年、建築・技術・都市計画・景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示し、人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式が優れており、現存する伝統、思考信仰と関連しているとして、ユネスコにより世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
モレリア大聖堂
モレリア大聖堂は、モレリアの中心部に位置する、メキシコで4番目に高い建物です。スペイン人によって設計され、1660年に建築が開始されました。完成は1774年となり、長い時間をかけたことで、デザインにはバロック様式や新古典主義など様々な建築様式が盛り込まれました。70mの高さをもつ2つの鐘塔は街のランドマークともいえます。
大聖堂には4600本のパイプを持つオルガンがあり、そこでは国際音楽祭やオルガン際などが開催されています。大聖堂に使われたピンクがかった色合いの石材や、ファサードの精緻な彫刻なども見どころです。
モレリアの水道橋
モレリアの水道橋は18世紀後半に造られ、距離は約1700mあります。253本の支柱からなる古代ローマ風アーチを持ち、最高約8mの高さで、1910年まで活発に使われていました。保存状態もよく、造られた当時の構造を保っています。街並みに溶け込む美しさはとても芸術的です。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / メキシコ |
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登録年 | 1991 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト Historic Centre of Morelia(UNESCO) |