龍門石窟(りゅうもんせっくつ)は、中国河南省洛陽市に位置する歴史的な石窟寺院群で、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。北魏から唐代にかけて(約5世紀から8世紀)約400年にわたり造営された龍門石窟は、中国仏教彫刻芸術の最高峰とされ、約2,300もの石窟と10万点以上の仏像が刻まれています。
龍門石窟は、黄河のほとりの断崖に彫られた大規模な石窟群で、精緻で多様な仏教彫刻が特徴です。大仏殿や小仏殿をはじめ、菩薩像、羅漢像、仏教経典の浮彫などが数多くあり、それぞれが宗教的意味と当時の芸術技術の高さを示しています。特に有名な「奉先寺の大仏」は高さ約17メートルの巨大な石仏で、圧倒的な存在感を放っています。
また、龍門石窟の彫刻は、中国伝統の美術様式とインドや中央アジアの影響を融合させたものであり、仏教文化が中国社会に浸透していく過程を物語っています。彫刻の細部には当時の服飾、建築様式、宗教思想が反映されており、歴史的・文化的資料としても極めて重要です。
龍門石窟は、東アジアにおける仏教美術の傑作として評価され、中国古代文明の宗教的・芸術的繁栄を伝える貴重な遺産です。訪れる人々は、壮大な石窟群と細密な彫刻の調和に魅了され、古代中国の精神文化に触れることができます。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2000 |
登録基準 | 文化遺産 (i) (ii) (iii) |
備考 | ■関連サイト Longmen Grottoes(UNESCO) |