アゼルバイジャン北部、大コーカサス山脈の高地に位置するキナルグ人の村と、そこから中部低地平原へと続く約200キロメートルの「カッチ・ヨル(移牧路)」によって構成される「キナルグ人の文化的景観と移牧の道」は、半遊牧的な生活文化を今に伝える希少な景観です。
キナルグの人々は、夏の高地牧草地と冬の低地牧草地を行き来する垂直移牧を守り続け、古代以来の長距離移動の伝統を継承しています。その道程には古道や灌漑施設、泉や井戸、モスク、墓地、牧畜施設が点在し、厳しい自然環境に適応した持続可能な社会・生態システムを示しています。これらの要素は、高度な土地利用技術と半遊牧社会の強靭さを物語るとともに、コーカサス地域における共同体的移牧文化の生きた証として高く評価されています。
国名 / エリア | アジア / アゼルバイジャン |
---|---|
登録年 | 2023 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (v) |
備考 | ■関連サイト Cultural Landscape of Khinalig People and “Köç Yolu” Transhumance Route(UNESCO) |