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概要
水原華城(すいげんかじょう、朝鮮語読み:スウォンファソン)は大韓民国ソウル特別市から南へ35㎞、ソウル駅から特急列車で30分の京畿道水原(スウォン)市にあります。李氏朝鮮の第22代王の正祖(チョンジョ)が築いています。李氏朝鮮時代の城塞遺跡で、「水原城」「華城」と呼ばれることもあります。
水原華城は1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。復元された西将台が放火により一部消失しましたが、再度復元されています。
歴史
正祖の父は、世継ぎでありながら政争(政治における争い)に巻き込まれ、非業の死を遂げました。
正祖はその死を悼み、霊を弔うのに風水的に最高の土地である水原に改葬します。水原の父の傍にいつもいられるように、ソウルから遷都しようと考え築造したのがこの華城です。
華城の設計は実学を修めた実学者、丁若鏞(チャン・ヤギョン)氏で、当時の建築最高技術を集め、さらに西洋の近代的な工法も取り入れ、1794年の着工から2年という短い工程で完成しました。しかし、その4年後にはこの華城を建てたいと計画した正祖は亡くなり、遷都の話は消えます。
第二次世界大戦と朝鮮戦争時に、華城の一部は破壊されてしまいましたが、「華城城役儀軌」という華城築城の工事概要を記した原本が残されており、復元・修復されました。
見どころ
水原華城
水原華城の総面積は130haで、東京ドーム約28個分。周囲には約5.7㎞・高さ約7mの石造りの城壁を巡らせており、城壁内には行宮(あんぐう)が造られています。行宮は正祖が建てた、父の墓への参拝のときに泊まる臨時の宿の中で、規模も機能面でも最も秀でていると言われています。
東西南北には四代門(蒼龍門、華西門、八達門、長安門)がそれぞれ設けられ、ほかにも水門、将軍が指揮を執る将台、弓を射る弩台、砲台、楼閣など48の建造物が当時の姿で残されています。
華城は朝鮮戦争で大きな被害を受けましたが、1970年代に韓国政府の計画により復元・改修、修繕が行われながら現在に至ります。
華西門(かさいもん、화서문、ファソムン)
華城四大門の西門。
華虹門(かこうもん、화홍문、ファホンムン)
華城はドラマのロケ地で有名
華城は韓国の人気ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」や時代劇「イ・サン」「雲が描いた月明り」のロケ地として有名です。歴史的な建物なので、古くから多くの人々に親しまれています。