ジュッジ国立鳥類保護区

Djoudj National Bird Sanctuary

ジュッジ国立鳥類保護区は、セネガル北西部のセネガル川デルタに位置する広大な湿地帯で、1981年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。保護区の面積は約16,000ヘクタールに及び、西アフリカにおける渡り鳥の重要な中継地として知られています。

この地域は、デルタに広がる湖沼、河川、湿地、干潟などが複合的に存在しており、水鳥の繁殖や給餌に最適な環境を提供しています。特に白ペリカン、紫ヘロン、アフリカトキ、フラミンゴなど、数百万羽の水鳥が越冬や渡りの途中で立ち寄ることで有名です。これらの鳥たちは、サハラ砂漠を越える東大西洋ルートの渡り鳥群であり、生態学的に極めて重要な役割を果たしています。

保護区の価値は、単なる鳥類の生息地にとどまらず、地球規模でも希少な湿地生態系が残されている点にもあります。ここでは多様な淡水・塩水環境が混在し、湿地特有の植物や魚類、爬虫類なども豊富に見られ、生物多様性の保全に重要な役割を果たしています。登録時には、自然景観の価値と生物多様性保護の観点から評価されました。

一方で、保護区は水位変動、侵入植物、密猟や違法漁業などの脅威に直面しています。これに対して、セネガル政府や国際機関は、モニタリング体制の強化や地域住民との協働による保全活動を推進しています。

訪問者は、ボートで湿地を巡りながら、群れを成すペリカンやフラミンゴの飛翔、カワウの潜水などを間近に観察できます。四季折々に変化する湿地の風景と野鳥の営みを体感できることから、教育的・観光的価値も高い場所です。

総じて、ジュッジ国立鳥類保護区は、西アフリカの希少な湿地生態系と渡り鳥の重要な生息地を保持する自然遺産であり、未来世代に自然の多様性と生態系の価値を伝える貴重な場所です。

国名 / エリア アフリカ / セネガル
登録年 1981年
登録基準 自然遺産 (vii) (x)
備考 ■関連サイト
Djoudj National Bird Sanctuary(UNESCO)
国立公園

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