モンゴル中北部に点在する鹿石碑群は、紀元前1200〜600年頃の後期青銅器時代に築かれた壮麗な巨石記念物です。高さ4メートルに及ぶ石碑には、優雅に枝角を広げた鹿の姿が精緻に刻まれ、周囲にはキルギスウールと呼ばれる墳墓や祭壇、人や馬の埋葬跡が配されています。これらの構成は、当時の遊牧民が営んだ儀礼や葬送の様相を今日に伝える貴重な証となっています。
ユーラシア全域で約1500基の鹿石碑が確認されていますが、その8割以上がモンゴルに集中しており、装飾の多様性や構成の巧みさ、保存状態の良さにおいて際立っています。これらの遺跡群は、青銅器時代の人々の卓越した芸術性と深い精神文化、そして紀元前2千年紀から1千年紀にかけて発展し、やがて消滅した豊かな遊牧文化を象徴する優れた遺構です。
国名 / エリア | アジア / モンゴル |
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登録年 | 2023 |
登録基準 | 文化遺産 (i) (iii) |
備考 | ■関連サイト Deer Stone Monuments and Related Bronze Age Sites(UNESCO) |