イタリア南部、ナポリの南東にチレントには、25万年前から人間が居住していた証拠が見られます。先史時代以来、東西に延びる3つの山の尾根に沿い、地中海地域の貿易、文化、政治的交流の主要ルートとして機能しました。紀元前7世紀末に建設されたギリシャ都市、パエストゥムです。紀元前3世紀にローマ領に編入され、交易路は一度は衰退しましたが、中世に再び利用されるようになりました。その証拠が考古学的遺跡として残っています。
中でも注目すべきは、紀元前7世紀末に建設されたギリシャ都市パエストゥムで、3つのドーリア式神殿が状態良く残されています。また、6世紀後半にエレアと呼ばれるギリシャの植民地であったヴェリアの遺跡には、城壁や都市の遺構が残されています。イタリア最大で最も著名な修道院に数えられる、14世紀に創設されたパドゥーラのカルトジオ会の修道院を加え、「パエストゥムとヴェリアの古代遺跡群を含むチレントとディアノ渓谷国立公園とパドゥーラのカルトゥジオ修道院」は、地中海地域の交易・通信の要であり、文明社会の発展とともに生み出された卓越した文化的景観として、世界遺産に登録されました。
国名 / エリア | イタリア / ヨーロッパ |
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登録年 | 1998 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Cilento and Vallo di Diano National Park with the Archeological Sites of Paestum and Velia, and the Certosa di Padula(UNESCO) |